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Saturday, March 7, 2020

中小企業に追い打ち 新型コロナで相次ぐ説明会中止 - 中日新聞

マスク着用での参加も目立った2月中旬の業界研究会=長浜市の長浜バイオ大で

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 2021年春に卒業予定の大学生らを対象にした企業の採用活動が1日から解禁された。ただ、合同説明会の中止が相次ぐなど、新型コロナウイルス感染症の拡大が学生の就職活動(就活)に影響を及ぼしている。近年は学生に有利な「売り手市場」が続く中、知名度不足から大手との「競争」に苦しんできた県内の中小企業が、さらなる苦境に立たされる可能性が出てきた。

 経団連が長年の採用ルールを廃止する一方、政府が代わりに日程の順守を呼び掛ける形で従来の指針が引き継がれた。通常通りなら三月から企業説明会が始まり、六月から面接などの選考が解禁、十月一日に内定が解禁されるが、人手不足が指摘される近年は、インターンシップ(就業体験)などを活用した採用活動の前倒しが加速。日程は事実上、形骸化している。

 マスクの着用者は増えていたものの、現在ほど感染が拡大していなかった二月中旬。長浜バイオ大(長浜市)では、「経営者と語ろう!」と銘打った長浜・米原両市の実行委による業界研究会が開かれた。両市内に拠点を構える十六事業所の経営者らがパソコンやパンフレットなどを会場に持ち込み、学生らに直接、業務内容や仕事のやりがいを熱心にアピールした。

 「中小企業の魅力は経営者の魅力。売り手市場の中、何とか地元の企業に目を向けてほしい」(長浜市の担当者)と企画した初の試み。学生ら二十八人が参加したが、県立大(彦根市)三年の女子学生は「滋賀で働きたいので就活の参考になった」と話す一方、「昨年夏に内々定をもらった子もいる。焦りしかない」との不安も口にした。

 参加した事業所の経営者は旺盛な採用意欲と、強い危機感の両方をあらわにした。ある経営者は「採用活動を毎年しているが、新卒を毎年、採用できているわけではない。インターンシップの内容見直しも考えたい」と天を仰ぎ、別の経営者も「この二、三年は通年採用の状態。学生と出会える機会が圧倒的に少なくなってきた」と指摘。採用活動や内定時期は以前から大手から中小、中央から地方という大まかな流れがあったが、経営者の一人は「以前は大手が内定を出す六月ごろから学生を狙いに行っても間に合ったが、出遅れた二年前は採用できなかった」と打ち明けた。

 苦境に立つ中小企業に追い打ちをかけるのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。就職情報会社「マイナビ」は三月前半に全国で開催を予定していた合同企業説明会を、インターネット配信分を除いて中止。「リクナビ」を運営するリクルートキャリアも、四十四都道府県で予定した三月末までの開催を中止した。

 説明会の相次ぐ中止で企業が学生と会う機会が減る中、長浜市内のホテルで八日に予定されていた合同説明会「ローカルジョブコレクションin滋賀・湖北」も開催の延期が決まった。長浜・米原両市の二十八事業所が参加を予定し、学生の参加を募っていたが、安全面を考慮して延期した。

 引き続き事前エントリーを受け付け、四月中旬をめどに開催する方針だ。実行委事務局を務める長浜商工会議所の担当者は「後ずれするほど、次年度の採用活動に影響が出てくる可能性が出てくる」と、限られた人的資源で採用活動をやりくりしている中小企業の負担増を懸念する。

◆逆境を乗り越えて

 記者が新卒として就職活動をしたのは前世紀の話だが、すでにインターネットの就職支援サイトが存在していた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、リスク管理の観点から企業がネットを介して学生にアピールする機会は増え、手法も多様化するだろう。学生には画面の向こう側に横たわる無数の情報を的確に分析し、冷静に行動すべきだ。一方で知名度不足の中小企業にとっては、磨き上げた魅力を学生に分かりやすく届け、採用に結び付ける必要が増したと言える。この逆境をばねにしてほしい。

 (相馬敬)

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