ニュルブルクリンクを舞台に行なわれたF1第11戦アイフェルGP。ホンダ製パワーユニット(PU)搭載勢は、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが2位、アルファタウリのピエール・ガスリーが6位と、4台中2台が入賞を果たした。
「予選ではメルセデスに1-2を取られてしまい、フェルスタッペン選手は3番手でした。そんな中でメルセデスの1台がリタイア、フェルスタッペン選手は確実に走り、2位を手にすることができました」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、そう語る。
「ガスリー選手も、中団グループが非常に僅差の中、良い形でレースをすることができ、力強い形で6位。彼はここまで良い流れで来ているので、この先もこれを維持して、良い成績を出していって欲しいと思います」
なおホンダPU勢の中で唯一リタイアとなったレッドブルのアレクサンダー・アルボンは、冷却系にダメージを受けたことが原因だったようだ。
「アルボン選手は、飛び石か何かだと思うんですが、クーラーにダメージを受け、水漏れが生じてしまいました。かなり急激な変化が出ていたので、PUにダメージが及ぶ前に、リタイアすることを決めました」
なおニュルブルクリンクでは、久々のF1開催ということになった。2013年以来、7年ぶり……ホンダがF1に復帰して、初めて同地でのレースに挑むというわけだ。田辺TD曰く、事前に行ったシミュレーションの精度が、非常に高いレベルだったという。
「精度良くシミュレーションできていました。行ったことのあるサーキットでは、シミュレーションのデータと、実走結果の関係性を調べます。その繰り返しですね。その結果、実際に行ったことのないサーキットにも、うまく適合できるようになっていたと思います」
そう田辺TDは語る。そして、次戦は本当の意味での初開催……ポルトガルのアルガルヴェである。
「次も初開催ですが、やることは同じです。今回のシミュレーションと実走の乖離も見極めながら、さらにシミュレーションして臨みたいと思います」
しかも今回のレースは、金曜日が悪天候で一切走行できなかったため、FP3での1時間の走行のみで予選〜決勝に挑むことになった。しかし田辺TDは、その短い時間の中でも、しっかりと準備を整えることができたと語る。
「金曜日が走行できず、2日間のイベントとなりました。イモラ(エミリア・ロマーニャGP)の先取りのような形になりました」
そう田辺TDは語る。
「FP3のみで検証を行なった上で、予選とレースを戦いました。でも、ここ数戦経験してきた情報と、1時間の検証を合わせて、良い形で準備ができたと思います。寒かったですが、低い気温にも対応することができて良かったと思います」
先日、2021年限りでのF1参戦終了を発表したホンダ。その発表以来初めてのグランプリが、このアイフェルGPだった。その中でしっかりと結果を残せたことに、安堵していると田辺TDは語る。
「4台完走、4台入賞という目標は達成できませんでしたが、PUに不具合が出ることはなく、自分たちの仕事をきっちりできたと思います。それは良かったと思います」
「ですが、参戦終了が発表されても、何も変わりません。我々は1戦1戦、今までと変わらずにやっていくだけです」
またこのレースで勝利したルイス・ハミルトンは、これで自身通算91勝目。ミハエル・シューマッハーが持っていた史上最多勝利記録に並ぶことになったのだ。田辺TDはこの91勝をいう記録を称えつつも、その勝利数を今後できるだけ伸ばさせないよう、全力を尽くすと語った。
「偉大なミハエル・シューマッハーの記録であり、並ぶような人が現れるとは思っていませんでした。でも、それに並んだハミルトン選手は、素晴らしいドライバーだと思います。最大限で予選を戦い、レースの結果に繋げる……きちんとレースを組み立てることができるドライバーだと思います」
「しかしこの先当面は、その勝利数をあまり伸ばさせないよう、戦っていきたいと思います」
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