巨人残留を決めた菅野智之投手(31)が14日、都内の待機先で契約更改交渉を行い、日本球界最高となる年俸8億円で更改した。昨季までは日本選手最高額6億5000万円で佐々木主浩(横浜=現DeNA)と並んでいたが、1億5000万円増で03、04年ペタジーニ(巨人)の年俸7億2000万円を超えて最高峰に立った。1年契約を選択し、日本一の先にある来季の米再挑戦を見据えた。
仕事を選ぶ上で給料が全てではない。だが、野球人口が減る今、子供たちに夢を与えるのは事実。菅野は「アップです。単年で契約しました」と金額を公表しなかったが、推定年俸は8億円。プロ野球の歴史で最高峰に立った。
「野球離れが加速していく中で夢のある数字だと思いますし、野球選手になりたいなと(思ってもらえれば)。あまりお金の話はしたくないですけど。自覚のある、責任のあるピッチングをしていければと思います」
大リーグ球団との交渉で渡米中、米メディアから条件面に関する情報が錯綜(さくそう)した。「金額は根も葉もない情報」と菅野。決して年俸に固執したわけではない。メジャーは学生時代からの夢。「お金のために野球をやっているわけじゃない」と猛威を振るう新型コロナの状況などを加味し、総合的に判断した結果だった。
落合博満が年俸1億円に到達した3年後の89年に生を受けた。平成生まれのエースは、令和に前人未到の数字に到達した。金額には言及せず「その金額に見合った活躍をしなくてはいけないなと身が引き締まる思い」と責任感を吐露。平成の大エースだった桑田投手チーフコーチ補佐も首脳陣に加わった。「尊敬できる大投手。18番を長く背負った方にしか分からない苦しみ、悩みを聞いてみたい」と楽しみにしている。
9日に帰国した菅野は自主隔離期間中で、書面のやりとりなどを通じて交渉。今春キャンプは2月6日に沖縄で「S(スペシャル)班」スタートとする方針を、原監督が示している。開幕投手の最有力候補となるが、本格的な自主トレはこれから。「開幕投手というのは何度やっても格別。とはいえ、急ぎすぎても良くないので、監督、コーチと相談しながら」と見据えた。
単年契約で臨む9年目。メジャーの夢はいったん封印し、チームで日本一を目指す。「今は目の前の日本一しか考えていない。オフにもう一度メジャーリーグに挑戦できるチャンスがあればチャレンジしたい」と意気込んだ。
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