日本相撲協会は初場所(両国国技館)初日を翌日に控えた9日、九重部屋と友綱部屋の力士5人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。協会員878人を対象にした8日のPCR検査の結果、九重部屋は幕内・千代翔馬と十両・千代鳳と幕下以下2人、友綱部屋は幕下以下1人が陽性反応を示した。両部屋の力士は全休する。新型コロナでは陽性で入院中の横綱・白鵬や濃厚接触者の力士65人に加え、親方や力士以外の協会員18人を含めた83人が休場する異常事態となった。
新型コロナウイルスの陽性者、濃厚接触者に腰痛で休場する鶴竜を含めると十両以上の関取は初日では戦後最多16人が休場する。異常事態で本場所を開催することになり、芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「気をつけても爆発的に増えている中では仕方ない。これはどうすることもできない。(感染者は)無症状だった。だからこそ分からない」と頭を抱えた。
幕下以下も合わせた休場力士は、年末に集団感染が発覚した荒汐部屋の10人、年を明けて新型コロナに感染した横綱・白鵬が所属する宮城野部屋の16人、そして九重部屋の27人と友綱部屋の12人を合わせ65人に上る。幕内の取組数は本来の21番から18番、十両は14番から9番に激減。2横綱不在もあり、寂しい土俵になりそうだ。
本場所に感染者が出たケースを想定し、芝田山部長は「一刻も早く(感染者が出た部屋を)封鎖していく。取組に関しては先生方は濃厚接触者にならないと言っている」と説明。感染が拡大した場合について、尾車事業部長(元大関・琴風)は「もちろん理事長の頭の中にそれ(打ち切り)も含めてあると思う」と途中で開催を中止する可能性があることも示唆した。専門家の意見を踏まえ開催に踏み切るが、ネット上の大相撲ファンからは「なぜ、この状況で開催する必要がある?」「場所を行わない決断を今日中にしてください」など中止を望む声も上がっている。
いずれにしても、直前に感染者が判明したことで当面、“相撲クラスター”を回避できたのは事実。芝田山部長は「見切り発車で開催していたら、場所中に感染者が出てクラスターが発生しかねない状況。未然に検査をしてこの結果が出たのは、取組編成会議が前後したが、これはこれでいい判断だったと思う」と前向きに捉えた。
▽部屋別休場者 陽性者と濃厚接触の可能性がある者を合わせた新型コロナ関連の休場者は九重部屋の31人(力士27人)が最多で、宮城野部屋が19人(同16人)、友綱部屋が18人(同12人)、荒汐部屋が14人(同10人)、湊部屋が1人。十両以上の関取は九重部屋7人、宮城野部屋と友綱部屋が3人、荒汐部屋2人。
【角界とコロナ】
☆20年11・26 初場所の開催概要を発表。1日当たりの席数の上限は約5300人に。
☆12・4 外出には師匠の許可を取ったうえで行動記録をつけることなど、新たな行動指針を力士たちに通達。
☆12・10 立浪部屋の幕下以下3力士の新型コロナ感染を発表。
☆12・11 立浪部屋で幕内・天空海ら7人が感染したと発表。 ☆12・15 湊親方の感染を発表。
☆12・17 湊親方が入院。
☆12・19 立浪部屋の幕下以下力士1人が感染したと発表。同部屋で11人目。
☆12・24 湊親方が退院。
☆12・26 立浪部屋の力士全員がこの日までに退院。
☆12・31 荒汐部屋の幕内・若隆景の感染を発表。
☆21年1・1 荒汐親方、十両・若元春ら荒汐部屋の11人が感染したことを発表。
☆1・4 湊部屋の幕内格行司、木村元基の感染を発表。
☆1・5 4日に検査した横綱・白鵬の感染が発表される。
☆1・9 親方、力士ら協会員約900人のPCR検査の結果、幕内・千代翔馬ら新たに5人の感染が判明する。
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