県の新しい産業廃棄物最終処分場を日立市諏訪町に整備する計画を巡り、住民からこれまで出された意見を踏まえた対応策を示す県の説明会が六日、市内で始まった。住民からは「候補地選定の再検討はしないのか」などと受け入れに難色を示す厳しい意見も相次いだ。
県は昨年五月に、整備候補地を発表。六〜八月に開いた計画の説明会で、産廃を搬入する車両が増えることで渋滞や交通安全を懸念する声が多く寄せられたことから、対策を検討してきた。
その結果、今年二月に諏訪地区を通る県道37号(日立常陸太田線)をできるだけ通らないようにするため、県道61号(日立笠間線)から整備候補地を結ぶ道路を新設する方針を明らかにした。
この日は、諏訪地区の住民向けと諏訪を含む候補地周辺四地区向けの説明会があった。市立諏訪小学校であった諏訪地区向けの会には住民約六十人が参加。県側から、道路新設のほか、地表や地質調査の結果などに関する説明があった。
質疑応答で、参加者が整備計画を見直し再検討することを求めたのに対し、県の担当者は「安全安心な施設を整備したい」と述べ、はっきりと答えなかった。
「新たに道路を造ってもらえればありがたい」と評価する声があった一方、「道路新設はコストが大きく、『予算が少なくて済む』という選定理由が揺らぐ」といった指摘も上がった。
県側は「一般車両も通行できるようにするので、道路新設の全費用が処分場整備関係だというのは違うと考えている」と説明したが、別の参加者は「処分場の話が出てから道路を造ると言っており、それは処分場の予算に入れるべきでは」と納得しかねる様子で訴えた。そのほか、環境汚染を懸念する声もあった。
説明会終了後、県廃棄物対策課の池田正明課長は、取材に「意見を踏まえて、理解が進むように今後も丁寧に説明していきたい」と話した。
県の説明会は、十四日までに計八回開催される。 (松村真一郎)
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