さまざまな理由で、家族と生活することが難しい子どもたちを自分の家庭に迎え入れ、成長をサポートする「里親制度」。厚生労働省は、2016年に改正した児童福祉法で、施設中心の養育から里親での養育を優先する基本方針を打ち出したが、養育を受け入れる家庭が不足しているのも現状。里親とはどのようなものか、里親の普及啓発に努める「三重県里親会」の奥野敏会長(60)(名張市緑が丘東)に話を聞いた。
奥野さんが里親登録したのは15年前。市の広報紙を見て興味を持ち、「子どもたちの世話がしたい」と考えていた妻の裕紀子さん(57)と相談して決めた。登録した年の夏休みには、津市の児童養護施設に入所していた当時小学2年生の女児を3泊4日で受け入れた。今は家庭復帰をしているが、年賀状のやり取りなどは続き、高校卒業や就職を知らせる便りもあったという。
現在は、中学2年生と小学6年生の男子2人の里親として成長を見守る。「一緒に過ごす時間は、里親にとっても貴重」と奥野さん。子どもの成長をともにする暮らしは「密度が濃い」と笑う。
里親になるためには児童相談所に連絡を取った後、3日間の基礎研修などを経て、2日間の実習や家庭訪問を受ける。養育期間は短期から長期とさまざまで、子どもの年齢によって、生活費や教育費などが支給される他、病気になった時の医療費も公費負担される。
名張養護学園(名張市朝日町)内にある「里親なんでも相談所『ほっこり』」では、里親への理解を深め、希望者を支援する一環として、伊賀地域で説明会を開催する。5月22日に名張市役所(鴻之台)、6月11日に伊賀市総合福祉会館(平野山之下)で、それぞれ午前10時から同11時30分まで。定員は30人で、申し込みが必要。
希望者は開催前日までに、同相談所へ電話(0595・41・1144)、またはファクス(0595・63・0721)で申し込む。
問い合わせは同相談所(0595・41 ・1144)まで。
2021年4月24日付794号5面から
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