日本ハムは11日、中田翔内野手(32)がチームメート1人に対する暴力行為をしたため、統一契約書違反による1、2軍全試合の出場停止処分を科したと発表した。暴力行為は4日のエキシビションマッチ・DeNA戦(函館)の試合前で被害選手の申し出で球団は事態を把握。調査を経て処分を決めた。チーム活動に参加せず、当面は自主練習のみとなる中田は「出場停止選手」としてコミッショナー公示された。
東京五輪での金メダル獲得に沸く球界に衝撃が走った。球団は看板選手の中田への出場停止処分の発表後、川村浩二球団社長が札幌市内の球団事務所で緊急会見。出場停止期間について「事の重要性を鑑みて具体的な期日は申し上げられない」と「無期限」であることを強調し「二度としないと反省し、二度と起こらないとチームメートも信頼しなければいけない」と続けた。
函館でDeNA戦が行われた4日。練習終了から試合開始までの間にベンチ裏で事件は発生した。川村社長は「被害に遭った選手名は言えない」とした上で「2人の一定の会話の中、中田選手が突発的に腹を立てて手を出した。被害を受けた選手に落ち度はない。練習中に何かあったわけでもない」と説明。周囲の選手が止めに入って大きな騒ぎにはならなかったが、試合開始後に被害に遭った選手から報告を受けた球団は自宅謹慎に値する事由と判断。4番で先発出場していた中田を1打席で交代させ、札幌に即時帰宅を命じた。同社長は被害選手の負傷について「プレーに支障がない範囲」とし、2人の関係については「本来は懇意だったと聞いている」と明かした。
川村社長は発表に至った経緯を「中田選手は強く後悔して“全面的に自分が悪い”という発言をし、被害を受けた選手に当日謝罪もしている。被害を受けた選手も大ごとにしたくないということだったが、球団として看過できなかった」と明かした。発生から1週間は当事者、目撃者らへの調査を慎重に行い、中田の処分と事実の公表を決定。出場停止処分とした理由については「暴力は決して許されない。ましてや中田選手は球団の顔で、模範とならなければならない存在」と語った。
3度目の打点王に輝いた昨季から一転、今季は開幕から打撃不振。4月7日のソフトバンク戦では凡退への怒りでバットを叩き折り、栗山監督に交代を命じられた。6月には腰痛で離脱するなど前半戦は打率・193、4本塁打、13打点。巻き返しに向け、7月30日の第4子誕生が発表された3日には「これまで以上に一生懸命野球に取り組み、活躍している姿を見せたい」と誓ったばかりだった。
中田は現在も自宅で謹慎中。球団施設での個人練習は可能だが、ユニホームの着用は禁じられた。踏んだり蹴ったりの3年契約3年目。オフの去就にも影響しかねない愚行だ。
▽野球協約・統一契約書 第17条(模範行為)選手は野球選手として勤勉誠実に稼働し、最善の健康を保持し、また日本プロフェッショナル野球協約、これに附随(ふずい)する諸規程ならびに球団の諸規則を遵守(じゅんしゅ)し、かつ個人行動とフェアプレイとスポーツマンシップとにおいて日本国民の模範たるべく努力することを誓約する。
◇中田 翔(なかた・しょう)1989年(平元)4月22日生まれ、広島県出身の32歳。大阪桐蔭から07年高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団。打点王3度、ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞4度獲得。1メートル84、106キロ。右投げ右打ち。今季年俸は3億4000万円。
【今季の中田】
☆バット破壊&右目強打 4月7日のソフトバンク戦の5回に空振り三振後、ベンチ内でバットを叩きつけて破壊。その後、ベンチ裏で転倒して右目付近を強打して途中交代した。翌8日に右目を大きく腫らした姿で球場に姿を現し、試合も欠場した。
☆打撃不振で2軍調整直訴 キャンプ中から腰の状態が悪く、開幕から35試合で打率・197、4本塁打と不振。「チームの足を引っ張るのは嫌」と、栗山監督に2軍での再調整を直訴。5月16日のソフトバンク戦でベンチを外れ、翌17日に出場選手登録を抹消され、札幌市内で単独で打ち込みを行った。
☆急性腰痛 6月8日の阪神戦の3回の打席で腰に違和感を覚え、途中交代。精密検査の結果、翌9日に急性腰痛と発表した。
☆第4子誕生 7月30日に第4子となる次男が誕生。8月2日に初対面し「顔を見られて感動した」。
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