- 説明の一流、二流、三流
- 著者:桐生稔
- 発売日:2021年07月
- 発行所:明日香出版社
- 価格:1,650円(税込)
- ISBNコード:9784756921598
『説明の一流、二流、三流』の要点
1.何かを説明する際、三流は思いついたまま話し、二流はモレなくダブりなく話し、一流は大胆に削って最も重要なポイントのみを話す。
2.相手に協力を求めるとき、一流は「目的(何のためにそれをするのか?)」と「個人への関係性(それを実現すると相手に何が起こるか?)」を伝える。この2つが重なってこそ、行動を促せる。
3.リモート会議では、対面の場に比べて圧倒的に相手の情報が不足している。そのため一流は、冒頭で軽くジャブを打って反応を見て、その後の展開を決めている。
『説明の一流、二流、三流』レビュー
ビジネスシーンで、自分の説明が相手にうまく伝わらなかった経験をお持ちの方は多いのではないだろうか。要約者自身、会議や商談で自分の意図や肝心なポイントがうまく伝わらず、苦労した経験が何度もある。あのとき、どうすればよかったのだろう――その答えは本書の中にあった。
本書では、45の項目に分けて、三流、二流、一流の説明はどんなものなのかを教えてくれる。各項目が端的に「わかりやすい説明」で記載されているので、非常に理解しやすい。本書にまとめられているノウハウは、著者自身の周囲にいた一流のビジネスパーソンから学び、ブラッシュアップしたものだという。
たとえば、「結論から話す」はわかりやすい説明のコツとしてしばしば挙げられるものだが、一流は前提、背景、根拠から話しはじめたり、結論を言わなかったりすることもある。そのときの状況によって、相手が求めるものを把握してから、適切な構成で話しているのだ。たしかに、結論を求められているときもあれば、前提、背景、根拠から伝えたほうがいいときもあるし、「ただ話を聞いてほしいだけ」というケースもあるだろう。
著者自身、駆け出しのビジネスパーソンのときは、説明下手で営業成績最下位だったという経験を持つ。そこから一念発起し、現在は伝わる話し方を教える立場になった。そんな著者のノウハウは明快で、リモートの打ち合わせやテキストでのやり取りでも使える。ぜひ手に取っていただければと思う。
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