プロボクシングWBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が4日、横浜市の所属ジムで、前WBO世界フライ級王者・田中恒成(畑中)とスパーリングを行った。
12月14日、東京・両国国技館で行われるIBF同級6位アラン・ディパエン(タイ)=との防衛戦に向けた練習で、4ラウンドを戦った。井上尚は2018年5月に当時日本最速となる16戦目での3階級制覇を成し遂げたが、同年9月に12戦目で3階級制覇王者となって、その記録を更新したのが田中。来月11日に元日本スーパーフライ級王者・石田匠(井岡)相手に再起戦(名古屋国際会議場)を戦うことになっているが、この日は、井上尚が終始優勢だったようだ。練習後は「良い緊張感がもらえるようなスパーリングでした」と振り返った。
初めて実戦練習の相手として闘った田中については「やっぱりスピードが速いですね。やる前からそこは予想はしていたんですけど、自分が今までやった選手の中では一番速いと思います」と話した。
ラウンドごとにテーマをもっていたようで、左アッパーを多めに出していたことについては「自然の流れですね。試合では多用はしていないですけど、スパーリングでは結構使うようにはしているので」と話したものの、「いつか試合でも?」と向けられると「次あたりに出るんじゃないですか?」と“予告”。「左のトリプルは新井田さんを参考にしている。新井田さんの左アッパートリプルを見て、これいいなと思って。あのアッパーってフィジカルがしっかりしていないと3発打てないんですよ」と、地元・神奈川が生んだ元WBA世界ミニマム級王者・新井田豊さんの名前を出して説明した。
田中の兄・亮明(中京高教)は東京五輪男子フライ級銅メダリスト。井上尚は「高校時代に4戦闘っている選手なので、試合を見ていましたし、すごい刺激をもらいました」という。田中とは5日にもスパーリングを行う予定。田中兄弟から頂戴した刺激で、モンスターの本気モードにいよいよスイッチが入りそうだ。
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