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Thursday, December 2, 2021

米軍機のタンク投棄「家の近くで不安」「きちんと説明を」…県に説明なく飛行訓練を再開 - 読売新聞

 11月30日に米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機が飛行中に投棄した燃料タンク2個のうち、行方が分からなくなっていた一つが2日、深浦町内で発見された。民家そばで見つかった1個目から数百メートルの距離で、同様に米軍が当初説明した「岩木山付近の非居住地域」ではなかった。燃料タンクは全て見つかったが、住民の不安は消えない。

 防衛省東北防衛局を通じて連絡を受けた町によると、米軍の捜索チームは2日朝から約20人態勢で1個目の発見現場周辺を捜索。午後2時頃に町内の雑木林で発見し、回収したという。

 2個目が見つかった場所の付近には民家があり、JR五能線が走る。近所の住職の男性(71)は「もう1個が見つかったと聞いて安心しているが、家の近くだと思うと、やはり不安だ。どうして落下したのか、きちんと説明をしてほしい」と訴えた。

 燃料タンクの投棄問題を巡っては、岸防衛相が「安全が確認されるまでF16戦闘機の飛行を行わないよう求める」としていたほか、県や三沢市なども、安全が確認されるまで訓練を実施しないよう要請していた。市基地渉外課によると、2日午後になって三沢基地所属のF16戦闘機が飛行訓練を再開したのを市職員が目視で確認した。基地から事前に「整備点検を徹底した上で、訓練予定を組んでいる」と通告があったという。

 県への説明がないまま飛行訓練が再開されたことについて、三村知事は「地域住民の感情を逆なでし、ひいては米軍全体に対する県民の不信感を増大させかねないものと大変厳しく受け止めている」とのコメントを出した。

 一方、2個目が見つかる前の2日午前、共産党県委員会や社民党県連などは、それぞれ県庁を訪れ、米軍に原因究明と再発防止の徹底を求めるよう県に要請した。県の担当者は「一歩間違えれば大惨事につながり得る。県としても厳しく受け止めている」と応じた。

 社民県連の今村修代表は要請後の取材で、過去に県内に起きた米軍戦闘機による事故を挙げ、「根本的な原因を究明できていないから事故が繰り返されるのではないか。いっそう厳しい対応が必要だ」と強調した。

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