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Sunday, August 14, 2022

職場は炎天下のゴルフ場なのに厚着で大丈夫!? キャディーさんの暑さ対策とは? - e!Golf(イーゴルフ)

ヘルメットの中が蒸れるので「ヘッドクール」は欠かせない

 冷却スプレーにウエアに氷のうに日傘……。万全の暑さ対策をしても焼け石に水となりそうな猛暑日が続いています。

 でもプレーヤー以上に暑そうなのが、キャディー服を着込んで日傘も差さず、4人のプレーヤーをフォローして歩き回るキャディーさんたちです。なかには年配の人もいて心配になりますが、どうやらプレーヤーに負けず劣らずの暑さ対策、熱中症対策をしているキャディーさんが多いようです。

 いったいどんな工夫をしているのでしょう? 外見だけではわからない、さまざまなアイデアを教えていただきました。

 ゴルフ場にもよりますが、キャディーさんのスタイルは、大きな帽子、長袖シャツ、長ズボン、布手袋、足元はスニーカーが基本です。ニッカーボッカータイプのズボンにハイソックスの場合もありますが、いずれにしてもハウスキャディーさんは各ゴルフ場で決まったユニフォームを身につけて仕事をしています。

 たまに見かける自前のゴルフウエアにビブスを着用している軽装のキャディーさんは、プロを目指す研修生や学生アルバイトの場合が多いようです。

 キャディー服は機能性と安全性を重視して作られています。まずは帽子。ツバがただ大きいだけではなくサイドに広がっている、風にあおられないようアゴの下で紐を結ぶ、首の後ろに日よけがあるなどの工夫が凝らされています。

「広いツバは顔や首に当たる直射日光を遮ってくれる日傘のようなものです。とはいえ、私が勤めているゴルフ場の帽子は、安全のため中にプラスチックのヘルメットが入っているので通気性が悪いんです。ですから水で濡らして帽子の中に入れると頭頂部がひんやりするヘッドクールを使っています。ゴルフ場ではすぐぬるくなってしまいますので、濡らしたのを冷凍庫に入れて凍らせて使っています」(関東のゴルフ場に勤めるキャディーAさん)

 熱中症を防ぐのに帽子は必須です。しかし、蒸れると逆に暑くなりますから、頭頂部を冷やすヘッドクールはゴルファーも使いたいものです。

 安全確保のため帽子の中にヘルメットが入っているとは意外でした。ヘルメットが入っていない帽子をかぶっていても、キャディーさんは日傘を差せないし常に動いているので、帽子の中はかなり蒸れてしまいます。

 そこで、頭からタオルをかぶってその上に帽子をかぶるか、帽子の上からタオルをかぶるか、いっぺんに両方行なうキャディーさんもいます。タオルの端はそのまま垂らして首をカバーしたり、つばと首の前の2カ所でクリップ留めしたりする人が多いようです。タオル1枚で吸汗や直射日光を軽減すことができ、だいぶ快適になるんですね。

 次に、長袖、長ズボンに布の手袋(滑り止めと指先の保護)。

 肌を完全にガードしているせいか、ユニフォームそのものが暑そうです。下には何を着ているのでしょうか。

「キャディー服は冷感素材ではないものの薄くて風通しがよく、汗で濡れてもすぐ乾きます。とはいえコースに出れば気温は40度以上ですから、プレーヤーのみなさんが使うようなハイネックの長袖冷感インナーは欠かせません。私はその上に保冷ポケット付き吸水速乾メッシュ素材のタンクトップを着て、ユニフォームを着ています。実はこのタンクトップは、昨年ゴルフ場で導入されたのですが、両ワキに1個ずつ、背中に2個の保冷剤を入れられるポケットがついているんです。計4個入れると少し重くなりますが、冷たさには代えられません」(首都圏近郊のゴルフ場に勤めるキャディーBさん)

 保冷剤を入れられるタンクトップがあることは、今回初めて知りました。ポケットにはマジックテープがついているので、ゴルフのスイングをしても保冷剤が飛び出さないか試してみたいと思います。

 ただ、保冷剤がハーフもたないのが残念なところ。ハーフターン時に入れ替えなければならないのです。Bさんが働くゴルフ場のキャディー控え室にある冷蔵庫の冷凍室には、1ラウンドで1人8個、人数分の保冷剤が常に冷やされているそうです。

 ちなみにBさんは、保冷剤つきタンクトップのほか、小さな氷のうに水を入れて細い形に凍らせたものをズボンのウエストにはさんで体を冷やす方法も併用しているそうです。

 このほかにキャディーさんが使っている暑さ対策グッズで目立ったのは、首にかける扇風機、金属プレートのネッククーラー、NASAが開発したアイスネックバンドなど手を使うことなく首を冷やせるものでした。

 プレーヤーだったら、アイスネックバンドを保冷バッグに入れて持ち歩き、カートに乗ったときや打順を待つ間に使うのが良さそうです。

 また、水分補給を怠らないのは言うまでもありませんが、キャディーさんがプレーヤーのようにペットボトルからグビグビ飲む姿をみることはあまりありません。いったいどのくらいの量の水を持ち歩き、いつ、どれくらい飲んでいるのでしょうか。

「うちのゴルフ場では、キャディーが電動カートを押して歩きます。日陰も少ないためいつでも水分をとっていいのですが、私の場合、ショートホールや短いミドルホールではティーイングエリア脇で飲んだら途中では飲みません。でも、パー5では、さすがに途中で何回か飲まないと体がもちません。前半のハーフではスポーツドリンク1リットル、後半は気温が上がるのでスポーツドリンク1リットルと500mlの経口補水液を1本飲みます。18ホールでトータル約2.5リットルですかね。このほかに、足りないときやお客様が持っていないときのために予備で500mlのスポーツドリンクを持ち歩いています」(キャディーBさん)

 はじめて経口補水液を買って自宅で飲んだときは、塩分が強く感じて飲みきれなかったと言います。しかも価格は1本200円近くします。

 それでも熱中症予防に有効だという評判を信じてお守りがわりに1本持ち歩き、気温が上がってバテやすい後半に飲むようにしています。いまでは水分補給にも熱中症予防にも欠かせないドリンクなのだそうです。

 暑さ対策にも水分補給にも、キャディーさんはプレーヤーから見えないところで気を使っています。

 さて最後に、仕事中に熱中症で倒れないようにするため、日頃どんな体調管理をしているのかも聞いてみました。

「炎天下での仕事に脱水や睡眠不足は禁物です。ですから、本当は仲間と楽しくお酒を飲むのが好きなのですが、仕事の前日は飲まず、お酒は休みの前日だけにしています。それと体調管理というほどのものではありませんが、コンビニでも売っているカリカリ梅を持ち歩いて塩分補給をしています」(キャディーAさん)

「仕事の前日はドリンクの準備やウエアの準備をきちんとして、早く寝るようにしています。それと食事をしっかりとっておかないと参ってしまうので、朝食は絶対に抜きません。食欲がないときは、ごはんに梅干しとお味噌汁。でも、お昼は暑さとスポーツドリンクの飲みすぎで全然お腹が空かないこともあります。そういう時は缶入りトマトジュース1本とヨーグルトだけでもとっています」(キャディーBさん)

 キャディーさんがあれだけたくさん着込んで体を動かすことができるのは、暑さ対策の工夫を凝らし、熱中症対策について学び、日頃から体調管理をしているからなんですね。体格も年齢も体力も一般の人と変わらないキャディーさんたちが頼もしく見えてきました。

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