「100年に一度の危機」と、安倍晋三首相が称したコロナ禍のさなかである。
緊急事態宣言は解除され、19日には県境をまたいだ移動も自由になる予定だが、第2波、第3波への懸念は強い。今後の備えはどうあるべきか-。
日々の暮らしも経済も、深刻な打撃を受けた。回復の糸口すらつかめていない。対策として大型補正予算は組まれたが、十分か、適正に使われているか-。
今ほど国会の存在が問われている時はあるまい。行政をチェックし、議論を重ね、国民の声を吸い上げ、より良い施策へと昇華させていくのが役目である。
にもかかわらず、安倍政権はきのう、通常国会を延長せず、閉幕させた。首相が「空前絶後」と自賛した大型補正予算では持続化給付金で不透明な委託が発覚。「Go To キャンペーン」でも3千億円を超す事務委託費が問題となっている。これ以上の追及は避けたい、という意図が透ける。国会、その向こうの国民を無視した振る舞いと言わざるをえない。
振り返れば前半国会で焦点となったのは「桜を見る会」である。安倍首相が自らの後援会関係者らを際限なく招いたとして公私混同が問題となったが、首相は説明を尽くしていない。
政権の検察人事介入の恐れが指摘された検察庁法改正案は、首相に近いとされ強引な法解釈で定年延長した東京高検検事長が賭けマージャンで辞職、法案は廃案となった。しかし、前検事長が訓告の軽い処分にとどまった経緯などは不透明なままだ。
論点をはぐらかし、論戦と説明を避ける首相。呼応するように記録を残さず、改ざんや隠蔽[いんぺい]を繰り返す官僚。国民はそんな光景を何度も見てきた。コロナ禍真っただ中の国会閉幕に、「体質は一向に変わっていない」と思った国民も多かったのではないか。
首相自ら導入をリードした地上イージスは一転、「計画停止」となった。立地予定地は2年半にわたって振り回された。これを尻目に「防衛相の決定を了承した」で済ませるのか。
法相に任命した河井克行衆院議員、自民党本部が応援した妻の案里参院議員に関わる公選法違反事件も、「国会議員は自ら説明する責任を負っている」と、人ごとのように述べるだけで逃げるつもりなのだろうか。
2017年、野党が森友・加計学園問題の真相解明へ臨時国会召集を求めたが、安倍政権は約3カ月間にわたって無視した。これを違憲と野党議員らが訴えた裁判で那覇地裁は10日の判決で、原告の損害賠償請求は棄却したものの、「臨時国会の召集は憲法上の義務」と言明した。
野党は今後、憲法に基づいて臨時国会召集を求めるだろう。当面、与野党は週1回の閉会中審査開催で合意した。首相は堂々とこれに応じ、丁寧な議論と説明を尽くすべきだ。国会と国民を軽んずる行為を繰り返してはならない。
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June 16, 2020 at 02:00PM
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国会閉幕 また何も説明しないまま | 社説 | コラム - 熊本日日新聞
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