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Sunday, December 13, 2020

商品の説明は努力で誰でも上手くなる! 口が勝手に動くまでトレーニングしよう/ヨイショする営業マンは全員アホ⑤ - ダ・ヴィンチニュース

きれい事一切なしの超実践型、現場営業論! 「最初の雑談はすっ飛ばしてもいい」「お客様の信頼を失う行為」など、著者が営業マンとして現場で気づいた“売れる”人間力を生み出す39の法則から、一部を抜粋してご紹介。

ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則
『ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則』(宋 世羅/飛鳥新社)

口が勝手に動くまでトレーニングせよ

 私は社会人になってからずっと株や保険の営業をしています。つまり、目に見えないもの、形のないものをお客様に提案してきました。

 説明をすることが難しい商品をたくさん取り扱ってきたので、説明に関しては、めちゃくちゃ自信があります。公園でバッタに相対性理論を説明しても、理解させることができるんじゃないかと、それぐらいのレベルだと思います。

 そこで、具体的なテクニックを含めて、説明が上手くなるノウハウをお教えしたいと思います。

お客様の反応に100%意識を向ける

 結論を先に言ってしまうと、説明が上手くなる方法というのはトレーニングしかありません。つまり、努力で9割方は解決できる。場数を踏めば踏むほど、説明は上手くなっていくので、とにかく練習することです。

 その練習方法ですが、たとえば、ある商品を売ることになったとして、どうやって説明すればお客様に理解してもらえるかと考えながら、実際に口に出してつぶやくこと。これは、今も私がずっとやっていることです。

 お風呂の中でも、この保険についてもっと分かりやすい説明があるんじゃないかと、架空のお客様を想定しながらブツブツブツブツやっているわけです。

 このトレーニングをやると〝説明する〞ことに余裕が出てきます。つまり、自分がどんなふうに説明しようかと考えながら話す必要がなくなり、相手の反応だけに100%意識を向けられるようになるんです。

 たとえるなら、もしバンドでドラムを演奏したとして、自分がリズムを刻むことだけで精一杯になっているか、それともギターやベースの音、なんなら会場の雰囲気にも耳を傾けられているか、くらいの違いがあります。

 なので、自分の口が勝手に動いているくらいのイメージで、その商品について説明できるようになるといいと思います。

 その上で自分の意識は、商品を説明することではなく、お客様のほうに100%向かせます。相手の表情や仕草を見ながら「この部分、あまり理解されていないな」とか「早口すぎて、ついてきていないな」と気づけるようになるレベルまで、事前にトレーニングして鍛えておく必要があります。

【総論→結論→理由・詳細】の順番で

 次に、説明する時の順序です。具体的には、まず総論を話してから結論、最後に理由や詳細を伝えるようにしています。

 たとえば、映画『スパイダーマン』がどんな映画か全く知らない人に説明するとします。

 まずは総論なので「ヒーローもののアクション映画」です。次に「ヒーローが悪いことをする怪物をやっつけて、ハッピーエンドで終わる映画」と結論を伝えてから、最後に「ある日、男の人が蜘蛛に刺されて、蜘蛛の能力を持つようになった」という『スパイダーマン』の特徴を言い表す詳細・理由部分を話すと伝わりやすい。

 間違っても、第一声で「ある日、男の人が蜘蛛に刺されて……」と、話し始めてはいけません。人に何かを説明する時は、まず総論を出してぼんやりしたイメージをつけさせてから、詳細を説明していくのです。

 保険で言えば、第一声は「保険というのは、将来お金に困らないために掛けるものです」というこの総論からです。保険のことが全く分からない人に対して説明するには、ここから始めなければいけないのです。

「ここまで大丈夫ですか?」と聞く

 ここから先は細かい話になるのですが、「保険というのは、将来お金に困らないために掛けるものです」と言われて、分からない人はほぼいないと思います。ここまでは理解できる。この時、あえてお客様に「ここまで大丈夫ですか?」と聞いてみてください。

 お客様はきっと「あ、大丈夫です」と答えると思います。

 この難しい商材に対して、第一声が「理解できた」となれば、お客様は「分かる、分かる」という感じで、前のめりに食いついてくる。つまり、聞く姿勢になっていただけるんですね。

 はじめに簡単な総論を話して「分かる」流れをつくって、お客様を乗せていくというのも一つのテクニックです。

冒頭に「分かりやすく言うと」をつける

 テクニック的なところをもう一つ。これはいやらしくならない程度、バレない程度でやらないといけないんですが、説明をする前に「分かりやすく言うと」とつけてみてください。「説明がとても上手いこの私が、今から分かりやすくお教えしますよ」というニュアンスを相手に伝えるんです。

 人は印象や権威性にかなり左右されています。たとえば、実際にはそんなに話が上手いわけでもないし、説明が上手いわけでもないのに、プロの講演家のような肩書きを持つ人がバーッと話すと、「ああ、やっぱり分かりやすい」「さすが講演家だな」と感じる人がいます。実際そんなものなんです。ある程度、言ったもの勝ち、伝えたもの勝ちなところはあるので、上手く利用しましょう。

 冒頭に「分かりやすく言うと」をつけることで、「分かりやすい」という印象と権威性が生まれ、相手にとってそれが「分かりやすい説明」になるというわけです。

<第6回に続く>

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