「もう一度、皆さんに制約のある生活をお願いせざるを得ない」
菅義偉首相は7日の記者会見で、出勤者数7割減、午後8時以降の外出自粛など、国民に繰り返し協力を求めた。特に若い世代に向けて「家族など大切な命を守るための行動」も呼びかけた。だが、国民が真剣に受け止め、1カ月で感染拡大を食い止められるかは見通せない。政治家自身に、本気で取り組もうとする姿勢が見えないからだ。
首相が昨年12月、自民党の二階俊博幹事長らと8人で東京・銀座のステーキ店で会食し、「誤解」と釈明した印象は今も強く国民に残っている。与野党は国会議員の会食について「1都3県では4人以下、午後8時まで」とのルール作りを検討したが、国民に痛みを強いておいて国会議員は自粛しないのかとの批判が出て、断念した。
国民の命を預かる立場の首相や国会議員が、感染防止のために範を示そうとする姿勢にはほど遠い。昨年4月の緊急事態宣言時ほど、国民が緊張感を持ちにくいのは無理もない。
さらに、宣言の再発令に当たっての国会説明も、与党は首相の出席を拒否した。首相は小池百合子東京都知事と感染拡大の責任を押しつけ合い、新型コロナウイルス対策の判断が遅れたとも指摘されている。
宣言に実効性を持たせるためには、まず、首相らが多くの人々の心に響く、本気のメッセージを伝えること。さもなければ、早期の宣言解除は期待できない。(後藤孝好)
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