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Tuesday, March 23, 2021

ペイトリオッツの散財を説明するオーナーのクラフト - NFL日本公式サイト

ニューイングランド・ペイトリオッツはこれまでの20年間、フリーエージェント(FA)に対してリスクを最小限に抑えた慎重な姿勢を貫き通してきた。だが今オフシーズンは違う。ヘッドコーチ(HC)ビル・ベルチックは後先考えずに惜しみなく資金を投じている。

いくつもの要素が混ざり合わさった結果、ペイトリオッツはFAでぜいたくをすることができる珍しい立場に置かれる。そして穴だらけのロースターを活性化させたいという切実な思いが後押しとなった。

ペイトリオッツオーナーのロバート・クラフトは、ピーター・キングのコラム『Football Morning In America(フットボール・モーニング・イン・アメリカ)』の中で、この過剰な支出は普段はケチなチームによる計画的な賭けだと話した。

クラフトは「株式投資のようなものだ」と述べている。「マーケットの修正や非効率性を利用できる時は利用する、われわれがやったのはそういうことだ。あとは様子を見るしかない。何も保証されていことは重々承知している。しかしわれわれはビジネスをするためにこのビジネスをしているのではない。勝つためにビジネスをしているのだ」

サラリーキャップが10年以上ぶりに減少したため、ほとんどのチームが支出額を制限されている。そんな中でペイトリオッツはNFLで3番目に多い6,900万ドル(約75億200万円)の現金を手にFAに臨むことができた。今年は例年よりも競争相手が少ないとあって、ペイトリオッツには本来ならば入札で負けていたかもしれない選手を獲得できる可能性がある。

クラフトは「FA開始の時点でわれわれはリーグ内で2番目か3番目に多いキャップスペースを持っていた」とキングに話している。「いつもは10から12のチームがほとんどのトップ選手を取り合うが、今年は2、3チームしかいない。私がオーナーになってから27年、これほど多くの資金を用意しなければならなかったことはかつてない」

まだいくつかの契約が正式に計上されていないものの、ペイトリオッツはすでに1億6,200万ドル(約176億1,400万円)以上を保証している。すべてが完了したころには、ベリチックHCは1億7,200万ドル(約187億330万円)もの保証額を使ったことになる。『ESPN』の専属記者であるマイク・ライスが指摘したように、この金額はクラフトが1994年にチームを購入した際に支払った金額に匹敵する。

『Spotrac(スポトラック)』によると、2020年にペイトリオッツは15人のFA選手と契約するために総額2,440万ドル(約26億5,200万円)を使い、そのうち780万ドル(約8億4,800万円)は保証金だったとのことだ。総額700万ドル(約7億6,100万円)で契約したディフェンシブラインマン(DL)ビュー・アレンが最高額となった。一方、2021年にペイトリオッツは15人の選手との契約に2億5,000万ドル(約271億7,750万円)以上を投じている。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、チームはアレンの700万ドルを超える契約を9人の選手と結んでいるという。今オフシーズンにペイトリオッツが獲得した3人の契約に至っては、最低でも2,500万ドル(約27億1,770万円)が保証されており、これは2020年に獲得したFA全員の合計額よりも多い。

最近のドラフトで犯したミスを修正しようと金をばらまく姿はペイトリオッツらしくないとは言え、すべて計算ずくだ。投じた資金が実を結ぶかどうか、大きな賭けに出ていることもクラフトは承知の上。だが、3月の勝負に勝ったチームのほとんどは1月にはシーズンを終えている。

「様子を見るしかない」とクラフトは少し慎重に語った。「オフシーズンに多額の費用をかけたチームをいつもバカにしていたのを覚えている。だから、何も保証されていないことは知っているし、私はそのことを非常によく理解している」

【R】

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