新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期となった東京五輪聖火リレーのグランドスタートセレモニーが25日、福島・Jヴィレッジ(楢葉・広野町)で始まった。
昨年3月にギリシャで採火され、日本国内で1年間保管されていた聖火のランタンを、聖火リレー公式アンバサダーを務めるお笑いコンビのサンドウィッチマンが持って登場。サンドウィッチマンの伊達みきおは「東北被災地をまわります。きれいになった被災地をみていただきたいし、立ち入ることができないところも素直に見ていただきたい」。石原さとみは「聖火リレーに対する意見や考え方は様々でいいと思っています。決断や判断はまちがっていない目標があることは生きる希望になる。多くの方が目標を持って明るく前向きに生き抜いていってほしいと思います」と挨拶した。
聖火は同じく聖火リレー公式アンバサダーの女優石原さとみと射撃でパラリンピック3度出場の田口亜紀さんにより聖火皿へ移され、第1走者を務める11年サッカー女子W杯優勝「なでしこジャパン」メンバーの岩清水梓(日テレ)がトーチに点火された。聖火は東日本大震災から10年が経過した被災地を出発し、7月23日の開会式(国立競技場)へ向け、1万人の聖火ランナーにより全国47都道府県を121日間で巡る。
式典には大会組織委員会の橋本聖子会長、東京都の小池百合子知事、丸川珠代五輪相、福島県の内堀雅雄知事のほか、スポーツ庁の室伏広治長官、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長、聖火リレー公式アンバサダーを務める柔道で五輪3連覇の野村忠宏氏らが出席。コロナ対策のため一般観客は会場に入れず、関係者のみの参加となった。
安心、安全な東京五輪開催への試金石となる聖火リレーはコロナ対策に配慮して実施される。組織委員会は地元の人々に沿道での観覧を呼びかける一方で、他都道府県からの観覧自粛やインターネットのライブ配信視聴を推奨。沿道の観客にはマスク着用や大声を出さない拍手などでの応援を求めている。沿道では密集状態の回避を呼びかけ、過度な密集が発生した場合は区間走行の取りやめも検討する。延期によりスケジュールの都合がつかなくなった著名人ランナーの辞退が相次いだほか、組織委の森喜朗前会長の発言や聖火リレー実施に疑問を抱いて辞退する著名人も出ており、大会への気運醸成なるかが注目される。
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