
茨城県城里町で、42歳の町長が高齢者よりも先に、新型コロナウイルスのワクチンを接種していたことが分かりました。また、兵庫県神河町でも、62歳の町長がワクチン接種を受けていたことが分かりました。2人は共に、医療従事者として優先的にワクチンを打ったと説明しています。
■「医療従事者の一員」42歳町長が“優先接種”
茨城県城里町。人口1万7000人余りの小さな町に13日、多くの報道陣が集まりました。 13日、急きょ会見を開いたのは、茨城県城里町の上遠野修町長(42)です。 上遠野町長は先月28日、町内の高齢者に先駆け、ワクチンを接種していたことが分かりました。
上遠野町長:「誤解してならないのは、高齢者接種枠で優先で受けたということではなく、医療従事者向けのワクチンについて、キャンセル分について、他の医療従事者が受けなかった分について、キャンセルリストの中で、私も受けたということ」
上遠野町長は、水戸市出身で、東京大学を卒業。大手建設会社で東京スカイツリーの建設などに携わり、衆議院議員秘書、大手IT企業勤務を経て、7年前に36歳で初当選した“エリート町長”です。 医療とは縁のない経歴の町長が、なぜ医療従事者向けのワクチンを接種することができたのでしょうか。
上遠野町長:「頻繁に私も接種会場で指揮を執りますので、医療従事者に準ずる者として受けた」
自身を「医療従事者に準ずる者だ」として、優先接種の正当性を主張した上遠野町長。 城里町で、医療従事者向けのワクチン接種が行われたのは、先月26日と28日でした。 ところが、キャンセルが発生したため、役場のワクチン接種チームが追加されましたが、チームに所属していない町長、副町長、教育長の3人も接種しました。
上遠野町長:「キャンセルが生じた時に対して、10名程度の要員を用意しておりました。ところが、実際には12名キャンセルが出たということで、急きょ2人追加しなきゃいけないということで、教育長と副町長については、すぐに打てるということで打って頂きました」
■町長「急きょ追加」も副町長「事前指示あった」
接種当日に急きょ、副町長と教育長の接種が決まったと説明する上遠野町長。これに対し、仲田不二雄副町長(65)は…。
仲田副町長:「前日かと思うんですけど、『接種を受けて下さい』とあったものですから。『医療従事者が最初じゃないの?』と話をしたら、『それは26日から接種していて、28日はだいたい進んでいますから』という話で『受けて下さい』と指示があったものですから。接種事業を進めていくためにと思いまして、接種を受けてしまった」
町長の「急きょ決まった」という説明に対し、「前日に指示された」と話した副町長。キャンセルが理由で接種できたことも知らなかったといいます。
高岡秀夫教育長(65)は、どうだったのでしょうか。
高岡教育長:「担当部署からキャンセルのことで、そういうことがあった場合に打つ三役ということで連絡頂いた」「(Q.いつごろの話?)4月28日に接種したので、何日か前、2、3日前で定かに覚えていません」
教育長によりますと、少なくとも接種の数日前には、キャンセルリストのメンバーに加えられていたといいます。
高岡教育長:「いいのかなと、よぎりはしたけど。私が教育長でなければ打てなかったかもしれません。打てない。あえて拒否するよりはと思って、ありがたく受けさせて頂いた」
■議長「町民感情としても認めるものではない」
今回の問題について、城里町議会の関誠一郎議長は…。
関議長:「自分が『医療従事者だからいいんだよ』と、その感覚が分からない。副町長、教育長、これも医療従事者なの?どこの指針にそれ当てはまるの?おかしいでしょう」「(高齢者が)不安になってるなかで、先頭になって、結局やってしまったこと自体、町民感情としても認めるものではない。認められないですよ、絶対」
今回の件を、議会で追及する構えの関議長。地元住民は…。
城里町民:「できたらば、町民の方が先にやってから、その後にやってもらいたい」「(Q.「医療従事者」にあたるから、打ったとのことだが?)なんか納得がいかないような感じですね。そういうことは、普通の人は分からないじゃないですか」 城里町民:「余ったワクチンを分けたからって何が悪いの」「(Q.そう思いますか?)思うよ!ここを管理する人が倒れたら、どうするんだ。また、そうしたら一からやり直したら時間かかる」
■「有効活用の意味で」62歳町長が初日“優先接種”
町長によるワクチン優先接種は、兵庫県でも問題になりました。町民に謝罪したのは、兵庫県神河町の山名宗悟町長(62)です。
神河町では、6日から65歳以上の高齢者を対象とした集団接種を始めていますが、その初日に、高齢者に用意したワクチンを町長が接種しました。
山名町長:「キャンセルの中で、最終的に廃棄しなければいけないワクチンが発生するのであれば、それは町長に接種して頂くということは、有効活用という意味において、可能ですという報告がありましたので、そういうことであれば接種しましょうと」
当日、キャンセルが出たので、接種したといいますが、当初、山名町長は地元新聞社の取材に、ワクチン接種をしたことを否定していました。
山名町長:「別に後ろめたいとか、そういうことではなしに、病院関係者であるということから、あえて、改めて町長は接種しますということは、言う必要は無いというのが基本にありました」
神河町では、キャンセルが出た際、ワクチンの廃棄処分を避けるため、次回予約している高齢者に、接種できるか確認しています。 町長によれば、接種した6日、3人がキャンセルしたため、翌日に予約をしていた65歳以上の高齢者2人が、繰り上げて接種しています。
■町長「『病院関係者』の位置で接種させて頂いた」
それではなぜ、残りの1人分が、62歳の町長に割り当てられたのでしょうか。
山名町長:「『病院設置者』であるということ。そして、各種病院会議に出席している点から、『病院関係者』という位置付けのなかで、この度、接種させて頂いた」
接種会場となっている公立病院の開設者で、会議などで院内を訪問することが多いという山名町長。町長の感染を避けるため、先月下旬、副町長から“優先接種”を打診があったといいます。
山名町長:「病院関係者という枠のなかで、何か町長の接種の可能性はあるのかなということを(副町長が)病院のほうに投げ掛けた訳であります。接種しなければいけない人の分に割り込んでとか、強制力が働くとか、そういうことでは全くございません」
高齢者に先立ちワクチンを接種した町長に対し、神河町民は…。
神河町民:「それはあかんわ。やっぱり、先に困っている人を先にしてあげたらええ思うけど」 神河町民:「役職のある人やから、もし緊急事態が起きたら、真っ先に先頭に立たないといけない人だからね。『私は若いんですけど、先に打たせてもらいます』っていうことを言っていたら、こんな羽目にはならなかったと思いますけど」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2021年5月14日放送分より)
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