日本相撲協会は20日、十両貴源治(24=常盤山)の大麻使用が判明したと発表した。協会発表によると貴源治は大麻たばこの使用を認めており、現在、警視庁において捜査中としている。貴源治は師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)の指示で謹慎している。

判明の経緯について、協会は以下のように説明している。

名古屋場所14日目の17日に「貴源治が大麻を使用しているのではないか」とのうわさ話が、力士間で交わされているとの情報が協会事務所に入った。「常盤山部屋の協会員2人がそのことを知っているかもしれない」という内容が含まれていたため、同日午後8時ごろに常盤山親方と協会職員が当該力士2人に聴取。そのうち1人が「かなり前に『貴源治が大麻をやっている』と力士らが話しているのを傍らで聞いたことがある」、「それ以降は、そのような話は聞いたことはない」との情報を入手した。

18日の千秋楽後に、尾車コンプライアンス部長(元大関琴風)が、師匠と貴源治と面談して事実を確認。貴源治は「大麻成分が含まれているCBDオイルという痛み止めを使用している。あがり症を抑えるために食べているグミにも大麻成分が入っていると聞いた。そういったところから、うわさ話が出たのではないか」などと、大麻の使用事実がないと否認した。一方で薬物検査には応じると同意した。

翌19日にコンプライアンス委員会作業班弁護士が立ち合いのもと、クリニックで薬物検査(尿検査)を実施したところ、大麻陽性の判定だった。この検査を受けてコンプライアンス委員長が貴源治に聴取を行ったところ、貴源治は名古屋場所中に宿舎近くの道路で歩きながら大麻たばこを1本吸っていたことを認めた。

協会は貴源治が大麻の使用を認めたことから、協会の内部規定に従ってただちに警察に通報したことで、警視庁において捜査が開始され、現在はその調査中であるとした。

貴源治は警視庁での事情聴取後に帰宅を許され、現在は師匠の指示で謹慎している。

八角理事長(元横綱北勝海)はこの日、コンプライアンス委員会と事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱し、今後は警察の捜査に全面的に協力しつつ、協会としての調査および処分の検討を実施する予定とした。