阪神・矢野監督とヤクルト・高津監督の激しい口論で、試合が中断する場面があった。4―0の5回2死一、二塁。佐藤輝への初球がボール判定された直後だ。ヤクルト側が二走・近本から打者・佐藤輝へのサイン伝達の疑いを指摘。即座に、球審・名幸も近本に対して注意を促した。
離塁しながら左手を何度も動かす近本の動作が、疑惑を生んだ。両チームのベンチから怒号が飛び交う中、審判団が両監督をグラウンドに呼び、事態の収拾を図った。しかし、そこでヒートアップ。最終的には審判団に促される形で、試合が再開された。「そういうことがあったということで…」と高津監督は多くを語らなかったものの、納得はしていない様子だった。一方の矢野監督は、強い口調で潔白を主張した。
「俺がもしやっているんであれば、どんな責任でも処分でも受ける。もしズルをして勝ったとして、優勝したとして、オレは喜べない。一番、そういう野球はしたくない」
昨年9月20日の同戦でもネクストバッターズサークルで近本がサイン盗みを疑われた事案があった。再び“遺恨”がボッ発。両チームにとって、後味の悪い一戦となった。(山本 浩之)
▼責任審判・小林和公(中断時の状況について)球審の名幸が、二塁走者に対して、手の動きでキャッチャーの構えが、サイン盗みとかするわけじゃないんだけど、距離を測るために手を出していたと。走者が帰塁の練習をする、そのタイミングであった動作に、球審の名幸は疑われるようなことをしないようにと。
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