明治安田生命J1リーグ第34節 川崎F1―1浦和 ( 2021年11月3日 等々力 )
明治安生命J1リーグは3日、各地で10試合が行われ、首位の川崎Fが連覇を決めた。ホームで浦和と1―1で引き分けたが、2位横浜が敗れたため、昨年と同じ、最速タイの4試合を残して2年連続4度目のリーグ優勝が決まった。鬼木達監督(47)は史上最多4度目のリーグV。数々の困難を乗り越えた勝負強さは鹿島のジーコ・テクニカルディレクター(TD、68)も認めた。
先に試合を終え、その1分25秒後。スタッフから鬼木監督に横浜の結果が伝えられると、一気に歓喜の輪が広がった。勝利では飾れなかったが「チーム全員でここまでたどり着いた。全員の力が際立った」と胸を張る家長。鬼木監督も「ホームで決められたのでよかった」と表情を緩めた。
前半33分にCKの流れからジェジエウが先制したが、後半44分にクリアミスから追いつかれた。この一戦が象徴するように、決して平らな道のりではなかった。開幕25試合連続不敗など昨季からの圧倒的な強さを誇った一方、7月に三笘と田中が移籍すると陰りが見え始めた。9月には谷口ら主力にケガ人が続出。10日間でルヴァン杯&ACL敗退と、一気に崩れても不思議でない危機に陥った。
だが根幹は全く揺らがなかった。指揮官が17年の就任以来植え付けてきた(1)球際(2)ハードワーク(3)切り替えは無論。それに加え年々勝ち続けることで培ってきたのが、一切妥協しない勝利に対する執念だ。一喜一憂しない姿勢、高い競争意識や向上心。それら全てがベテランから若手へと脈々と受け継がれ、しっかりと根付き、苦しい時にこそ一丸となれる要因ともなった。
三笘&田中移籍後は1試合平均得点が2・45→1・57に減少。一方で同失点は0・75→0・5と、勝利に徹する姿勢は数字にも表れた。9月14日のACL敗退後15日間で5試合。心身ともに疲労のピークだったが、時に守備を固め、試合終盤での時間稼ぎなどなりふり構わぬ姿勢も見せた。これぞ勝利への執念。結果、3戦連続逆転勝利を含む全勝で、一時勝ち点1差まで詰められた横浜を突き放した。
「鹿島みたいになったな」。ラスト7分で大逆転した9月22日のアウェー鹿島戦後。指揮官が鹿島での現役時代に、勝利へのこだわりなど多くを教わった敵軍のジーコTDから掛けられた言葉だ。数々の苦境の中で積み上げてきた全てを結集させ、誰よりも負けず嫌いなサッカーの神様も認めたその勝負強さ。まさに「常勝軍団」と呼ぶにふさわしい連覇だった。
「気持ちだけでは勝負事は勝てない。経験や全体の意思統一も必要」と指揮官。うまさに、勝利のメンタリティーも加わった川崎Fの黄金期は、まだまだ続きそうだ。
▽川崎フロンターレ 前身は1955年創部の富士通サッカー部。97年に改称し、Jリーグに参入した99年にJ2を制してJ1初昇格。1年で降格も、再昇格した2005年以降はJ1に定着し17、18、20年に優勝した。チーム名はイタリア語で「正面の」などの意味。最前線で挑戦し、正々堂々と戦う姿勢を示す。本拠は川崎市等々力陸上競技場。
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