沖縄県那覇市前島の複合ビル「とまりん」内に入居するホテル「沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ」が10月31日、閉館した。経営する沖縄県内ホテル大手「かりゆし」の平良朝敬会長は1日、那覇市内で記者会見し「(オープン以来)26年7カ月、国内外の観光客や地元客の方々に多大なるご愛顧をいただいた」と感謝の言葉を述べた。
「多大なるご愛顧をいただいた」
閉館した理由について、平良会長は「泊ふ頭周辺開発の趣旨に賛同し、集客力を見込んで入居したが、それが実現されず、ホテル経営は当初から極めて厳しい状況だった」と説明。「自助努力で踏ん張ってきたが、賃料増額などもあり苦渋の決断に至った」と話した。また、施設の防災管理センターが海抜より低い地下に位置しており、災害時の危機管理体制にも以前から懸念があったという。
アーバンは1995年のとまりんオープンと同時に開業した。宴会場、レストランなども備え、これまでに約5400組の挙式披露宴を扱うなど、観光客のみならず県民の利用も多かった。かりゆしは、2008年にも賃料引き下げを求めてアーバンを閉館し、その後再入居した経緯がある。
100人が退職の意向
とまりんを所有する泊ふ頭開発は10月から、かりゆしに代わる新たな賃貸先を公募しており、12月の取締役会で選定する予定だ。
沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハの閉館を巡り、ホテルを運営するかりゆし(平良朝敬会長)は1日、同ホテルの従業員146人のうち、パートなどを含む100人が退職の意向を示していると明らかにした。残る46人については雇用を継続し、恩納村の沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパで勤務する予定という。
同社によると、退職者については、再就職の準備をする時間的な余裕がなく離職を余儀なくされた「特定受給資格者」として取り扱われ、会社都合の退職に準じて失業手当の支給などが行われる見通しだという。
また再就職支援のため、ハローワークと連携し、従業員向けの説明会も実施したという。
社会保険労務士の大城貴子氏は「配置転換に関しては、労働者側との事前の十分な話し合いがあったかが重要になる」と指摘。100人規模の大量の退職者が出ることについては「やむを得ない経営判断でも、丁寧な説明と、退職者が生活に困らないよう、再就職支援などに配慮が必要になる」と、企業側のより積極的な対応を求めた。
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