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Saturday, December 11, 2021

旧役場跡、伝承の場に 岩手・大槌町が震災説明板 - 河北新報オンライン

旧役場庁舎跡地の説明板の前で震災伝承への思いを語る平野町長

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町は、多くの町職員が犠牲になった旧役場庁舎跡地と、観光船はまゆりが屋根に乗り上げた民宿あかぶ跡地の2カ所に説明板を初めて設置し、10日に公開した。「仮看板」と位置付けており、震災の教訓を伝承する場として今後、本格的な環境整備を進める。

 説明板は高さ約170センチ。縦横90センチのアルミのパネルに、被災状況の説明文や当時の写真を掲載した。QRコードをスマートフォンで読み取ると、報告書などさらに詳しい資料を見ることができる。整備費は2カ所で計46万円。

 旧庁舎は保存、解体を巡って町内の議論が二分。平野公三町長の決断で2020年3月に解体を終えた。民宿あかぶは町が当初、撤去された観光船の復元を含めた保存を目指したが、資金不足で断念し、今年3月までに取り壊した。

 旧庁舎の説明板公開に当たり、町は犠牲職員40人の遺族に案内を送った。出席者はなかった。平野町長は「さまざまな議論の中で、ここで何があったのか説明するものが必要だとなった。設置が遅いという指摘はもっともだが、町内に意見の相違があり、11年近くかかった」と述べた。

 民宿跡の説明板公開には地域の住民約15人が集まった。NPO法人はまゆり復元保存会の古舘和子会長は「(観光船の)復元はかなわなかったが、津波の恐ろしさを伝える教育の場を整備する第一歩になった。犠牲者の思いを生かすモニュメントを設置してほしい」と求めた。

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