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Thursday, May 12, 2022

「県民が納得する説明を」 - 読売新聞オンライン

 近畿日本鉄道の運賃値上げ申請に反対し、県が国土交通省に開催を求めた公聴会を巡り、荒井知事は12日の定例記者会見で、同省に公述書を提出したことを明らかにした。公聴会は、国交省が諮問する運輸審議会で、7月14日に大阪市内で開かれることが決定。知事は「県の代表として、近鉄に納得する説明を求めたい」と自ら陳述する意向だ。(平野和彦)

 近鉄は4月、新型コロナウイルスによる業績悪化を理由に、国交省に平均17%増の運賃改定を申請。認可されると、来年4月から、近鉄奈良―大阪難波が680円(110円増)、近鉄奈良―京都は760円(120円増)になる。知事は記者会見で、「県内利用者の負担は、試算で約60億円も増える」と反発した。

 公述書では、経営やサービスを関西大手私鉄などと比較。1キロあたりの料金では、阪急の京都河原町―大阪梅田(48キロ、400円)の「8・3円」に対し、近鉄奈良―大阪難波(33キロ)は値上げ後、約2・5倍の「20・6円」と差が拡大するとした。

 また、「鉄軌道部門の従業員1人あたりの営業収益額」は、関西大手私鉄で最も低い2149万円。「旅客営業1キロあたりの設備投資額」でも、2番目に少ない5268万円というデータを示し、観光特急への過剰な投資の一方、バリアフリー化が進んでいない点を問題視した。

 知事はこの日、「もともと高い運賃がさらに上がる」と不満を漏らし、「生産性や快適性、安全性の投資はどうなのか。(運賃値上げの前に)経営効率化の説明責任がある」と申請に疑問を呈した。

 公聴会では、近鉄側と知事が主張を交わし、運輸審議会が値上げ申請について、国土交通相に答申する予定だ。

 知事は、地元への丁寧な説明が不足しているとして、「鉄道事業者は地域と共存共栄すべきで、対話は必須。利用者に納得してもらうのが企業の基本であり、安易に運賃に転嫁されては困る」と改めて争う構えを見せた。

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