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Friday, July 15, 2022

浪江町が説明会「9月にも準備宿泊」 参加者からは疑問や心配の声も - 朝日新聞デジタル

 【福島】浪江町は15日、帰還困難区域のうち、来年3月に避難指示を解除する予定の特定復興再生拠点(復興拠点)について、9月にも準備宿泊を始める考えを示した。ただ、自宅を解体して帰る場所がなかったり、家は残っていても修繕などに時間がかかったりする住民は多く、準備宿泊や帰還には物理的な限界も見えた。

 この日、浪江町は町内と二本松市で住民説明会を開催。準備宿泊の開始を「遅くとも彼岸前」とした。

 浪江の復興拠点は、町の中心部に比較的近い室原地区と末森地区、中山間地にある津島地区の3カ所。4月1日時点の人口は計850人だが、住民説明会に参加したのは2会場で計26人だけだった。町は17日も住民説明会を開く。

 町の説明では、宅地や農地などの除染は5月末時点で93%終わった。上水道やガス、電気は復旧が終わり、新たに井戸水が必要な場合は国が補助する。

 町の中心部は5年前に避難指示が解除されたが、帰還している住民は約1割。買い物は役場近くのイオンやコンビニなどしかない。中山間地の住民のため、利用者の予約に応じて町を巡回するデマンドタクシーを3地区に広げる。

 ただ、11年余り家を空けていたため、多くの住宅が荒廃している。復興拠点では332件が住宅の解体を申請し、すでに285件が解体済みだ。

 「帰る家もないのに、準備宿泊しろというのはおかしい」。津島地区から福島市に避難している三瓶春江さん(62)はそう指摘した。津島には中心部のような復興住宅がない。これに対し町は、津島にある「活性化センター」を宿泊できるように修繕する考えを説明した。

 さいたま市に避難している吉田辰子さん(82)は4時間かけ、夫の俊雄さん(84)と町内の説明会に参加した。室原地区の自宅はイノシシや泥棒に荒らされ、修繕や掃除に時間がかかるという。「帰りたいと思いますが、準備宿泊には間に合いそうにない。帰っても集落がなくなっていて、防犯の面で心配です」と話していた。大月規義

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