JA全農耕種総合対策部スマート農業推進課は、9月16日に「第3回ザルビオ初級WEB操作説明会」をオンラインで開催した。
BASFジャパン株式会社 有松潤二氏
同説明会は、BASFジャパン アグロソリューション事業部 マーケティング部 ザルビオデジタル農業ソリューションの有松潤二氏を招き、BASFジャパンとJA全農が「スマート農業で日本の農業の課題を解決していく」という趣旨の下で行われた。
日本の農業は生産者の高齢化、就業人口の減少、耕作放棄地の増加を始めとした問題が山積している。また、日本の農業は海外と比べると収益性が伸び悩んでいる。さらに、昨今では肥料価格の高騰が農業に暗い影を落としている。スマート農業はこれらの問題を解決する切り札とされており、ザルビオは衛星画像とAI(人工知能)を使って作業の効率化、収量の向上、コストの削減につなげられるサービスとして紹介された。有松氏は、ザルビオには様々な機能があるが基本的な機能を使うだけでもスマート農業を始めることができると説明した。同説明会ではスマート農業の初級者を対象として、地力の強さを予測できる「地力マップ」、生育の度合いを予測できる「生育マップ」、散布に適した日付、時間帯を表示する「散布天気予報」の3つについて説明が行われた。
ザルビオの画面
「地力マップ」過去15年分の圃場の衛星画像を分析して地力の強さを色分けして表示するマップであり、元肥の設計への使用が見込まれる。「生育マップ」は生育状況を色で表したマップであり、追肥の設計への使用が見込まれる。同説明会では、地力マップや生育マップを活用して、肥料コストの削減に取り組んでいる事例や、生育マップの色を見ることで圃場の異常を早い段階で確認できたといった事例が紹介された。現在、肥料価格高騰の対策として、農水省が肥料価格高騰対策事業(前年度から増加した費用の7割を農水省が支援する事業)を行っているが、ザルビオが支援金申請の取り組みとして活用できる見込みがあることも紹介された(最終的な判断は各都道府県の協議会に委ねられる)。
利用料金についても説明があり、2圃場までなら無料、3圃場から100圃場までは月額換算で1100円で利用できる(年間契約が必要)ことも伝えられた。機能の説明の後には、ザルビオを実際に操作してアカウントの取得から圃場、作物の登録を行い地力マップ、生育マップ、散布天気予報の見方について実際の操作を交えながら説明された。
10月12日から10月14日間に幕張メッセで開催される「農業Week」において、BASFジャパンはザルビオについて紹介するブースを出展予定。さらに、BASFジャパンとJA全農がスマート農業やザルビオをテーマとした特別講演を予定している。また、同イベントではザルビオの操作説明やJA職員、生産者による活用事例も紹介予定。
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