Pages

Saturday, November 28, 2020

大蘇ダム漏水 農水省の説明責任は重い | 社説 | コラム - 熊本日日新聞

 産山村山鹿に建設された国営大蘇ダムで、2008年に続いて再び大規模な漏水が発覚した。「一度ならず二度までも-」。熊本・大分両県の受益農家は今、そんなやり切れない思いに違いない。

 漏水は8月に日量最大3万トン、11月下旬も1万5千トンあり、想定の2千トンを大幅に上回る。1979年度の事業着手から40年を過ぎてもなお、想定された機能が期待できない農業用ダムの現状は、受益農家のみならず地元負担に応じた地域にとっても、深刻な事態である。

 加えて、事業主体の農林水産省は現時点で、漏水やダムの現状について十分な説明責任を果たしているとはとても言えない。まずは一刻も早く、受益農家および地元自治体の両県と阿蘇市、産山村、竹田市に対する詳細な説明を求めたい。さらに原因究明と、抜本的な漏水対策を急ぐべきだ。

 大蘇ダムは、国営大野川上流土地改良事業の中核施設で、堤高約70メートル、堤長約262メートル、ダム貯水池の有効貯水量は389万トン。阿蘇、産山、竹田の計3市村に農業用水を供給するとされている。

 79年度にスタートした計画は途中、2度の変更による事業費増額を経て、2005年2月にいったんダムが完成。試験湛水[たんすい]に入った。ところが3年後の08年2月、九州農政局は貯水池からの水漏れが1日5千~4万トンにも達し、計画通りの水の供給ができないことを明らかにした。

 その後、国に加えて受益農家が多い大分県側の負担で、貯水池の約3分の2をコンクリートなどで覆う浸透抑制対策工事に100億円以上を支出。今年4月からようやく供用開始にこぎ着けたところだった。

 今月に入り発覚した再びの水漏れをめぐっては、1度目にも増して、情報公開に後ろ向きな農水省の姿勢が浮き彫りになった。九州農政局が熊本県と阿蘇市に説明したのは24日。産山村への説明は、大蘇ダム完工式当日の25日午前までずれ込み、竹田市の式典に出席するはずだった阿蘇市、産山村の首長ら約30人は欠席した。地元の憤りはよく理解できる。農水省の説明責任の欠如は重大だ。

 国営事業の地元負担金は、地域に利益があって初めて意味を持つものだ。大野川上流土地改良事業の費用は、当初計画では130億円だった。それが水漏れ対策を含む3度の計画変更により、現時点で720億6千万円まで膨れ上がった。このうち熊本県と阿蘇市の負担金は26億円を超える。

 一方で、人口減少や農家の高齢化もあり、受益面積は当初の2481ヘクタールから1865ヘクタールまで縮小した。もっと早く、安価な方法はなかったのか、過去40年余りの節目節目で、違う選択肢はなかったのか、との思いが残る。

 ここまで当初計画から逸脱し、今も事業完了が見込めない以上、事業自体の検証も不可欠だ。大蘇ダムの現状は、いったん動きだせば後戻りしない国営大型事業の問題点も照らし出している。

Let's block ads! (Why?)



"説明" - Google ニュース
November 29, 2020 at 05:11AM
https://ift.tt/37gGfwH

大蘇ダム漏水 農水省の説明責任は重い | 社説 | コラム - 熊本日日新聞
"説明" - Google ニュース
https://ift.tt/2UErW0i
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment