ヤンキースFAの田中将大投手(32)が、楽天に復帰することが決まった。28日、球団が入団の基本合意を発表した。MLB担当記者が米国から見た背景で田中の楽天復帰を解説する。
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昨年のワールドシリーズ終了後に田中がFAとなった時点で、日本球界復帰はメジャーでも有力な選択肢の1つと解釈されていた。コロナ禍に伴う収益減で各球団の資金が切迫したという理由だけではない。何より田中自身が、下降期ではなく、全盛期のうちに古巣に恩返しをしたいとの意向を持っていることは、近い関係者の中では伝え漏れていた。
昨季のポストシーズン敗退後、ヤンキースのキャッシュマンGMは、慰留を視野に入れる一方で、田中の胸中を思いやるように言った。「彼はこれまでヤ軍の一員として十分に貢献してくれた。彼は日本を愛しているし、彼の家族も日本のことを愛していることは理解している」。表面上の言葉だけを解釈すれば、一般論に過ぎない。ただ、同GMの性格上、思っていないことは、まず口にしない。契約延長の可能性を残している貢献者の母国愛をあえて言葉にしたのは、「帰国」を想定した上での、紛れもない本音だった。
FA後に田中がコメントしてきた通り、日米を問わず、オファーがある限り、全球団と交渉を進める意思だったに違いない。もっとも、コロナの感染拡大が続く米国では、メジャーの先行きも不透明なだけでなく、幼少の子息を含め、家族の健康、安全面も心もとない。
まだ32歳。メジャーでチャンピオンリングは手に出来なかったものの、日米通算200勝だけでなく、常にファンを魅了する存在であり続けてほしい。【MLB担当=四竈衛】
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