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Saturday, March 6, 2021

南野拓実の「サウサンプトンの誰よりも輝いていたプレー」とは? 0得点0アシストでも高評価できる理由【分析コラム】 - フットボールチャンネル

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プレミアリーグ第27節、シェフィールド・ユナイテッド対サウサンプトンが現地時間6日に行われ、0-2でアウェイチームが勝利している。サウサンプトンにとってはこれがリーグ戦10試合ぶりの白星となった。先発に復帰した日本代表MF南野拓実も、貴重な勝ち点3奪取に大きく貢献している。(文:小澤祐作)

2021年03月07日(Sun)11時34分配信

シリーズ:分析コラム
text by 小澤祐作 photo Getty Images
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リバプール時代から輝いていた持ち味

南野拓実
【写真:Getty Images】

 エースのダニー・イングスが13分に負傷退場するというアクシデントに見舞われたが、サウサンプトンはジェームズ・ウォード=プラウズとチェ・アダムスの得点で2-0と敵地で最下位シェフィールド・ユナイテッドを下している。アウェイチームにとっては、実にプレミアリーグ10試合ぶりの勝利となった。

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 前節のエバートン戦を負傷のため欠場した南野拓実は、このシェフィールド戦で先発復帰を果たしている。4-4-2におけるツートップの一角に入ると予想する声もあったが、ポジションはやはり左サイドハーフだった。

 負傷明けでいきなり先発に起用されているあたりからもラルフ・ハーゼンヒュットル監督からの信頼の厚さが伝わるが、南野はピッチ上で同指揮官の期待にしっかり応えたと言えるだろう。この日のサウサンプトンには躍動感のようなものが戻っていたが、背番号19はその中で置き去りにされることはなかった。

 南野は主に攻守の切り替えの速さ、そして豊富な運動量を生かしたランニングで大きく存在感を示している。このあたりは、ユルゲン・クロップ監督率いるリバプール在籍時から高く評価されていたポイントだ。

 とくに守備面での貢献度は、シェフィールド戦に出場した誰よりも輝いていたと言えるのではないだろうか。どれだけ高い位置にいようと自陣深くまで戻ることを嫌うことなく、サイドバックをサポート。事実、自陣ペナルティーエリア内でのクリア数3回は、DFの選手を除けばトップの数字であった。

 43分には、シェフィールドがカウンターを開始。流れの中で右サイドに回っていた南野は懸命なスプリントで自陣へ戻り、左サイドに流れていたデイビッド・マクゴールドリックにプレッシャーを与え、右SBカイル・ウォーカー=ピータースを助けている。さらに南野は、マクゴールドリックのサポートに来たキーン・ブライアンにも継続プレス。細かいシーンではあるが、相手のカウンターの勢いを弱めるナイスプレーだった。

 60分過ぎあたりから、サウサンプトンは左サイドを攻められる機会が増えていた。やや左サイドハーフのスチュアート・アームストロングが疲労のせいかプレスに行くのが遅れており、ウォーカー=ピータースの前で数的優位な状況を作られることが目立っていたのである。

 一方で右サイドは、90分間を通してそのようなシーンが少なかった。事実、シェフィールドの攻めは54%が左から、右からは28%という数字が出ている。ライアン・バートランドの対応はもちろん、南野の献身性がこうしたデータに表れているとみても不思議ではないはずだ。

結果こそ出なかったが…

 と、ここまで守備面にフォーカスしてきたが、なにも攻撃面でまったくダメだったというわけではない。むしろ、南野らしさは良く出ていたようにも感じる。

 リバプール在籍時はどうしても高い確率で違いを作り出せるサディオ・マネやモハメド・サラーにボールが集まっていたが、サウサンプトンではパスが出てくる回数が決して少なくない。シェフィールド戦でも南野が狭いエリアでボールを引き出し、前を向くシーンは何度かあった。

 ドリブルで一枚剥がす、といったプレーは少なく、ところどころ味方とポジションが不用意に近くなったり被るといった細かな問題点はあったが、自陣深くからスプリントして味方を追い越す動きや、味方の動きに応じてピッチ中央に入るなど、全体的にオフ・ザ・ボールの質も目立つようになっていた。

 リバプールでは“そこ止まり”になることが多かったが、上記した通りサウサンプトンでは見てくれている味方が少なからずいるので、シェフィールド戦ではチャンスシーンに絡む確率も増えている。70分には3点目か! といった決定機を迎えており、さらに終盤にはアシスト未遂もあった。

 最終的に目に見える結果こそ出なかった。ただ、チームにもたらす可能性はリバプール時代より、そしてサウサンプトンで試合を重ねるごとに着実に高まっている。今後もハーゼンヒュットル監督に起用され続ければ、南野のプレミアリーグにおける評価は再び上がっていくだろう。

(文:小澤祐作)

【了】

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