
大滝哲彰
津市側の青山高原にある「青山高原保健休養地」の近くで住友林業(東京都千代田区)が進める風車4基(計7・49メガワット)の建設計画に対し、周辺住民が反発している。住民側は事前に十分な説明がなかったとして抗議文を提出。住友林業は情報伝達に関する不手際を認めた上で、工事を一時中断した。
住友林業は津市白山町垣内南布引の社有林と借地を事業用地に、2018年3月に経済産業相の再生可能エネルギー発電事業計画の認定を取得。環境アセスメントが必要ない規模の事業で、20年7月に着工した。計画は住家から最短約500メートルの地点に風車が建つものだった。
青山高原保健休養地に住む高須梓さん(43)が風力発電計画を知ったのは、着工してから1年以上経った今年8月だった。自宅は計画されている風車の建設位置から約1キロ。「何で事前に知らせてくれなかったんだろう」
今年8月22日に住友林業が初めて開いた保養地の住民向けの説明会では、事前に説明がなかったことに住民が猛反発し、紛糾。だが、約2カ月後に1基目の風車が設置された。
高須さんら住民は10月28日に住友林業へ抗議文を提出。工事の中止と完全撤退を求めた。
これに対し、住友林業は工事を一時中断。その後、住民側に出した回答書では、保養地の管理会社に着工前に説明し、「所有者の皆様にも当然に伝達され、ご了承いただいていたものと受け止めて着工した」と説明した上で、情報伝達の不十分さについて謝罪した。今後については、「騒音等のシミュレーションを行うなど、周辺地域への環境影響を再評価」するとした。
保養地の建物所有者は300人を超える。なかでも高齢者が大半を占め、健康被害を懸念する住民も多い。
住友林業は朝日新聞の取材に「住民との対話を引き続き行っていく」と書面で回答した。(大滝哲彰)
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