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Saturday, December 4, 2021

9割の人が間違う勘所!熱心に商品説明しても売れないワケ。 - ダイヤモンド・オンライン

NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』(11/9.16放送)でカリスマ経営コンサルタントとして紹介された神田昌典氏が、アメリカで百年以上続くコピーライティング技術を日本で普及させ、はや四半世紀。今、第一人者、25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』(468Pの大著)が話題となっている。
4つの力(判断力・思考力・表現力・発信力)が身につく【コピーライティング技術100】
【BTRNUTSS見出しチェッカー】【PASBECONAテンプレート】【PMMサーチシート】初公開
「どう言うか」だけでなく「何を言うか」まで完全網羅。紙・ウェブ・スマホ完全対応
比類なき最強の教科書。第一人者、25年の集大成
神田氏は言う。「タイトルを『大全』としたのは誇張ではない。従来のコピーライティングにとどまらない広範な分野──事業戦略、マーケティング戦略から効果計測・分析、テキストデザイン、表現技術や発想法まで──総計100に及ぶコピーライティング技術を横断的につなぎ合わせ、実用しやすい体系にまとめあげるには、果てしない作業が必要となった。そのモチベーションを持続できた理由を、こっそりと明かせば、著者たちの個人的な事情がある。実は、共著者2人は、人生の先行きが見えず、大きな壁にぶちあたっていたときに、コピーライティングに救われたからだ」
第一人者の神田昌典氏と、共著者で脳性麻痺の子どものために大企業の管理職を辞し、マーケティング・コピーライターとなった衣田順一氏。今回も読者の役立つポイントを本文から抜粋して紹介する。

9割の人が間違う勘所!<br />熱心に商品説明しても<br />売れないワケ。Photo: Adobe Stock

顧客の救世主「ベネフィット」とは何か?

 なぜ、コピーライティングで売上が上がるのか?

 本書やこの連載でも、その理由は「4つ」あると述べた。

1.広告で直接販売(直販)できる
2.顧客の救世主「ベネフィット」を提供する
3.24時間365日営業できる
4.収益の上がる仕組みがつくれる

 今回は、2.顧客の救世主「ベネフィット」を提供する、を紹介する。

 コピーライティングで売上が上がる第2の理由は、「ベネフィット」を提供するからだ。

 ベネフィットという言い方自体、なじみがなく、普通はメリットや特長(特徴)と表現するだろう。

「特長」とは「特にすぐれたところ」。

「特徴」とは「他と異なって特別に目立つしるし」(いずれも『広辞苑 第七版』)。

 メリットとは「長所」=優れた点だが、メリットと特長はほぼ同義。特徴は必ずしも優れているとは限らないが、目立つ点だ。

 それに対して、ベネフィットの定義はこうなる。

 その商品・サービスを購入すると、購入者にとってどんないいことがあるのか?

 コピーライティングの世界では、メリットではなく「ベネフィット」という言葉が使われてきた。これは、

人は商品・サービスそのものがほしいのではなく、それを買った結果得られるものがほしい

 からだ。

 コピーライティングでよく引き合いに出されるベネフィットの例に、「顧客はドリルがほしいわけではない。穴を開けたいのだ」がある。

 違う例を挙げよう。

 あなたは、本書でコピーライティングの技術を習得したいと思っている。

 しかし、あなたは「コピーライティング自体を学びたい」わけではない。

 コピーライティングを学んだ結果、あなたの商品・サービスが売れるようにしたいのだ。だから、本書のベネフィットは、「コピーライティングが学べる」ではなく、「商品・サービスが売れるようになる」である。

 このように、困っている問題を解決したり、かなえたい理想を実現したりできるのがベネフィットだ。

 ベネフィットは顧客にとっての、いわば「救世主」の役割を果たす。

 このベネフィットを読み手にアピールすることで売上が上がるようになる。

 ベネフィットを理解し、実際に使えるようになることが、コピーライティングの第一歩であると同時に、究極の目標でもある。

 セールスメッセージは、ともすれば、

「この商品はこんなところがすごいんです」
「こんなところが優れているんです」

 と、アピールしてしまいがちだが、それらの特長(特徴)が読み手(買い手)にとって、どんないいことがあるのか? が明確でないと購入にはつながらない。

 よく「使ってさえくれれば、絶対によさがわかってもらえるんだけどな~」と言う人がいるが、残念ながらこれではまったく意味がない。

 モニターやお試しなどを除けば、この商品を買おうと決めるのは、「使う前」だからだ。使う前によさを実感してもらう必要がある。そのために必要なのがベネフィットであり、買う前にベネフィットを理解してもらわなければならない。

『究極のセールスレター──シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル』(ダン・S・ケネディ著、神田昌典監訳、齋藤慎子訳、東洋経済新報社)にこんなエピソードがある。

やり手セールスマンのこんな逸話がある。新型の住宅暖房システムを小柄な老婦人に売り込もうとしたときのこと。熱出力・構造・保証・サービスなど、言うべきことをすべて説明し終わると、老婦人が尋ねた。

『ひとつだけおうかがいしますけど、それは私みたいなおばあちゃんでも暖がとれるものなの?』

 熱出力や構造が他社製品と比較してどれだけ優れているかは、特長(特徴)にすぎない。特長があることで、他のものではなく、この商品を買った人にどんないいことがあるのか、どんな悩みや苦しみから解放してくれるのか? どんな願いをかなえてくれるのか? これらがベネフィットとなる。

 この場合、「部屋が暖かくなるまで、今までの10分の1の時間しかかからず、すぐに暖まる。だから寒い屋外から帰ってきたとき、寒いのを我慢しなくてよくなる」というのがベネフィットだ。

 また、ベネフィットはあくまでも、「読み手(買い手)にとってどんないいことがあるか?」が重要であって、書き手(売り手)にとっていいことではないことを肝に銘じておこう。

 ただし、通称「薬機法」(旧・薬事法、正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)をはじめとした法規制の対象となる商品・サービスでは、ベネフィットをダイレクトに表現できないケースが多々あるので注意が必要だ。

 次回は、「顧客はあなたの商品・サービスがほしいわけではない」ということについて、見ていこう。

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)

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