500mlの水を5分以下で飲むのはNG?
「もちろん、人間こまめに水分を取ることはとても大事です。ですが、運動後や入浴後などに喉が渇いたからといって急激にたくさんの水を飲むのは要注意。具体的にいえば、約500ml以上の水を5分以下で飲むという“一気飲み”は危険です。 こうした飲み方をすると、血液のかさが増し、血管にストレスをかけます。目にかかる圧力が増して視神経まで圧迫されることで、見える範囲が狭くなったり部分的に見えなくなったりする緑内障など、目の病気を進行させる恐れがあります。特に、緑内障が多い家系の人や遠視の人は注意が必要です」 ◆コーヒーやお酒もほどほどに 純粋な水以外にも、カフェインやアルコールの摂取も控えめに。 「コーヒーでいえば1日3杯までにとどめるようにしましょう。特に、過度な飲酒は血管を傷つけることがわかっています。全身の毛細血管の中でも、目の毛細血管は非常に細くデリケートです。目は特に、アルコールのダメージを受けやすいことを覚えておきましょう」
高血圧が目の重大病につながることも
目の毛細血管にストレスをかけるのは、過度な飲水、飲酒だけではありません。高血圧や糖尿病も、血管に負荷をかけます。 「血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力が高くなることを、高血圧といいます。高血圧になると、血管が硬くなり、動脈硬化という状態になります。目の血管でいえば、網膜の動脈が硬くなり、血管のしなやかさが失われることで、血管が詰まりやすくなります。とりわけ目の血管は非常に細いため、高血圧になると詰まるリスクが高くなります」 ◆目が急に見えなくなることも 網膜の動脈が詰まると、今度は何が起きるか。 「詰まった状態が長く続くと、詰まっている部分だけ見えなくなり、見えている像が欠けるように見えます。さらに深刻なのは、網膜の中心部の血管が詰まる『網膜中心動脈閉塞症』です。これは『目の心筋梗塞』とも呼ばれ、『何時何分に見えなくなった』と特定できるほど、血管が詰まった瞬間に目が見えなくなります。 ただし、目が見えなくなっても、もう片方の目が問題なく見えていれば、通常通りの日常生活を送ることは可能です。そのため、つい病院に行くのを先送りにしてしまう人もいますが、放置する時間が長くなればなるほど回復が難しく失明リスクも上がります。見えなくなった直後に治療を行えば回復する可能性はあるので、片眼が見えなくなったら何をおいても眼科に駆け込んでください」
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