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Tuesday, May 10, 2022

吉野家、外国籍学生の就職説明会“排除”で謝罪 理由は「就労ビザ」 参加拒否の学生、他にも多数 - ITmedia ビジネスオンライン

 外国籍の学生に対し、国籍を理由に自社の企業説明会への参加を拒否していたとして、吉野家が5月10日までに謝罪した。同社は拒否した理由について「(外国籍の学生は)就労ビザの取得が困難。ビザを取得できず過去に内定を取り消したケースがあったため」と説明している。一方で「外国籍社員の積極的な登用を続けている」(同社)として、組織的な外国人差別の存在は明確に否定した。

photo 吉野家の店舗(出典:同社公式Webサイト)

 この問題はTwitterの投稿をきっかけに発覚した。就職活動中の大学生とみられるちゃんちゃんさん(@K5cc0X)は5月3日、自身のTwitterアカウントで「ハーフだけど日本生まれ日本育ち国籍日本なのに向こうから急に説明会キャンセルされたんだけど!!!こんなのアリなん。1番不快なお祈りメール」と投稿。「外国人差別なのではないか」など、吉野家への批判が殺到し、記事執筆時点(5月10日午前10時30分)までに約2万5000リツイート、約3万8000のいいねを記録している。

 吉野家は取材に対し、「外国籍の方は新卒の会社説明会のご応募をいただいても参加をやむなくお断りしていた」と事実関係を認め、謝罪した。同社は「当社は『ダイバーシティ』をキーワードとし、組織の活性化を目的に外国籍社員の積極的な登用を続けており、国籍を問わず、将来的な幹部候補として中長期的な教育に基づいた雇用を主としている」とした上で「当社のこの方針に最も沿うと考える技術・人文知識・国際業務によるビザの取得を前提とすることを採用対象の条件としている」と説明した。

 ただ「(外国籍は)技術・人文知識・国際業務によるビザの取得は非常に困難」として「(過去には)内定取り消しをせざるを得なくなったことが一定程度あった」という。このため「ビザの取得をできず内定を取り消された方の心情をおもんばかるあまり、結果的にお断りしてしまった」と釈明した。

 内定後にビザの問題で、取り消しをせざるを得なかった過去を明らかにした同社。一方で「このような経緯があったものの、当社の外国籍の方の採用に関して説明が不足していた」(同)と自社の不備を認めた。

「申し込み時の情報で判断していた」 名前が関係か

 問題発覚のきっかけとなった投稿をしたユーザーは、自身を日本生まれの日本国籍保有者と主張している。テレビ朝日は記事で、学生の名前がカタカナだったことから、参加を拒否された可能性を指摘している。

 この点について吉野家は「個人情報のため詳細はお答えできない」とした上で「申し込み時の情報で判断していた。参加申込情報から外国籍と思われる方へは本来、先ず連絡をすべきところ、連絡の過程において不備があった」と回答した。

“参加拒否”、他の学生にも

 その後の社内調査の結果、他にも外国籍とみられる複数の学生にも同様に、説明会への参加を拒否するメールを送信していたことも判明。該当者の規模は「非公表」とのことだが、9日付で該当者には謝罪の連絡をしたという。

 今後の対応はどうするのか。同社は「会社説明会へのエントリーは引き続き、どなたでも登録できるようにする。外国籍の方については、技術・人文知識・国際業務によるビザの取得ができない可能性があることを会社説明会にて説明するようにする」とし、改善する方針を示している。

photo 就職活動のイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

 「誠に申し訳ございませんでした。今後は応募者に対してわかりやすい採用活動に努めてまいります」(吉野家)

 同社を巡っては、4月中旬に、伊東正明常務取締役(当時)が早稲田大学の社会人向けマーケティング講座で、若手女性向けに自社が行うマーケティング戦略を「生娘をシャブ漬け戦略」と表現し、多方面から批判が殺到。その後、同社は伊東氏を解任し、その余波で新商品の「親子丼」の発表会も中止を余儀なくされた。

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