質疑応答
――これまでの投資について、具体的な反省点を教えてほしい。
孫氏
反省すべき点は数え上げればきりがないぐらいあります。
ソフトバンク・ビジョン・ファンド1のときは、1つの案件で1兆円近いような投資をしたりして、“大振りで三振”みたいなものがたくさんありました。
特に、私の思い入れによって大振りして失敗した案件が多かったので、それを反省して、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2では、「より組織的になって細切れに確実なヒットを出したい」ということを考えて組織を固めました。
で、実際に利益を出したこともあり、やや有頂天になっていた部分もあります。たくさん打席に立ってたくさん振りまくった結果、大きな評価損を今回出してしまったということです。
もちろん、「市場の環境が悪かった」とか、「戦争やコロナがあったから」といったことは言い訳の材料としては使えるかもしれません。ただ、我々がもう少し投資先を厳選して、ちゃんとした投資を行っていれば、これほどの痛手は負わなかったかなと感じています。
また、市場全体として、ユニコーンのバリエーションの単価が高くなりすぎていたのが2021年だったのではないかと思います。
やっぱり投資は、高いものを買うと下がる確率が高まりますから。今となって振り返ってみれば、自分たちのなかで、評価に対してバブルのような状態があったのではないかと反省しているところです。
これはすべて、私の指揮官としての責任だと思っています。先ほど「組織的になった」と言いましたが、その組織全体を指揮したのは私です。すべての案件に対して、私が投資委員会の中心的な立場で意思決定に参加していますから、私が反省すべき点であり、ほかの誰の責任でもないと考えています。
――ソフトバンク・ビジョン・ファンドの運営コスト削減について、現状はどう考えているのか。
孫氏
投資の金額が大幅に減っているわけですから、投資をする“ハンティング部隊”についても、ハンティングのための財源が絞られるということです。
そうすると、ハンターたちが多すぎるということになりますし、バックヤードを担う人も多すぎるということになる。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの人員を大幅に減らしてコストダウンしなければいけません。
また、創業以来で最大の赤字がこの6カ月間続いているわけですから、ソフトバンク・ビジョン・ファンド以外にも、全社的にあらゆるコストダウンを図らないといけないとは思っています。
(コストダウンの)具体的な規模については言及しません。
ソフトバンクKK(ソフトバンク株式会社)のように、独立して上場しているグループ会社については、彼らのほうで判断すべきことです。ただ、投資を中心としたソフトバンクグループのほうは、大幅なコストダウンをする必要があると思っています。
――あらためて、今後の経営に対する意欲のほどを聞きたい。
孫氏
今回の責任は感じています。ですが、経営に対する意欲はますます高まっています。
もちろん、病気にかかったとか意欲が減ってしまったということであれば、多くの人に迷惑をかけるわけにはいかないので、そのときになれば潔く引退したいと思っています。
でも今は、たとえ「迷惑だ」と言われてもやる気いっぱいで、志も一切変わっていません。
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