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Monday, February 24, 2020

勘や経験を排して「AI」が政策立案、説明責任はどうなる? 譲れぬ人間の判断 - SankeiBiz

 【深層リポート】

 人口や産業などの行政データを有効に活用し政策効果を高めるため、長野県が全国の自治体では初めて、政策立案に人工知能(AI)を導入する試みに乗り出している。証拠に基づく政策立案(EBPM)が重視される時代になってきたためだ。ただ、判断を導き出した過程が不透明なAIでは説明責任を果たせず、行政の信頼性を確保できない可能性もある。行政とAIの共生は図れるのか-。

 過去を引きずる

 県がAIによる政策立案の研究に乗り出したのは、京都大学と日立製作所が開設した「日立未来課題探索共同研究部門」(日立京大ラボ)が平成29年、AIによる政策提言を実施したのに関心を持ち、県側から同ラボに持ち掛けたのがきっかけだ。

 阿部守一知事は、政策立案にAIを関与させる意義について「人間の思考はどうしても過去を引きずっている。AIは情緒的ではなく機械的にやる。新しい可能性は、AIと人間が共同作業するところにある」と語る。

 シミュレーションでは、令和22年を視野に、持続可能な社会を実現する政策の方向性などをテーマとした。AIが判断材料にするデータは、若手県職員らが、県の総合5カ年計画(平成30~令和4年)から人口や観光客数、県内総生産などのキーワードを抽出し因果関係を付与。そのうえで、原因により結果が発生する可能性の強さなど、すべての因果関係に係数を設け、データとした。

 未来像は2万通り

 AIが描き出した未来像は約2万通り。これを23通りに集約、分類し、この中から、県職員らの検討を経て最終的に6通りに絞り込んだ。最もよいシナリオは、観光が活発で生産・分配といった経済循環がよく、郷土愛も育まれていた。

 最もよいシナリオも令和10~11年ごろまでは、他のシナリオそれほど変わらなかった。この時期以降、持続可能な社会に向かった要因は、地方税の歳入割合や出生数、観光客数、公共交通機関の維持・確保などの政策効果が高いことだった。つまりこの時期までに行政が講じるべき政策の方向性を示唆したわけだ。

 ただ阿部知事は「直ちに政策には生かせない」と指摘し、因果関係の精度を高めていく必要性を強調している。県は引き続き、今回のテーマで、より実効性のある政策立案のあり方を探る方針だ。

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February 25, 2020 at 05:00AM
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