
今年はコロナの影響で忘年会や新年会などの酒を飲む機会は減ったものの、その分、家飲みが増えた人も多いのではないだろうか。そこで、「酒はちゃんぽんだと悪酔いする」「牛乳を飲めば酔いにくい」など、酒にまつわるうわさ話と正しい酒の飲み方について、雪の聖母会聖マリア病院 臨床・教育・研究本部長であり、「教えて!『かくれ脱水』委員会」の委員でもある靍知光(つる・ともみつ)医師に聞いた。(サイエンスライター 川口友万) ● 酒のちゃんぽんは 悪酔いとは無関係 コロナのせいで忘年会、新年会が流れた人も多いだろうが、それでもなんだかんだと理由をつけて飲んでいるお父さんで居酒屋はあふれている。しかし酒を飲む割に、どういう酒の飲み方が医学的に正しいのか、全然わかっていないお父さんたちは多い。私もそんな一人なので、改めて医師から話を聞くことにした。 そもそも酒を飲むと体の中では何が起きているのか。 「まずアルコールが体に入ってくると肝臓で分解しようとします。肝臓で分解する途中でアセトアルデヒドから酢酸や水に分解されます。その過程で大量に水やビタミンが必要になります。欧米人に比べて日本人はアセトアルデヒドから酢酸に変える酵素ALDHが少ないので、酔っぱらいやすいのです」 ビール、日本酒、ウイスキーなど、さまざまな酒をちゃんぽんすると悪酔いしたり、翌日に残ったりするとよく言われるが、あのうわさは本当なのか?
「そのうわさ、私も昔は信じていましたが、結論から言うと正しくありません。日本酒は糖分やアミノ酸が多いから分解するのに純粋なアルコールよりも分解過程が複雑になる、だから悪酔いするということから、こうしたうわさができたようです」 そのうわさは正しくないということですか。 「はい。ビールでも日本酒でも、結局はアルコールですからね。酔っぱらってくるといろんなお酒がおいしくなってトータルのアルコール摂取量が増え、それが悪酔いにつながるのだと思います」 濃度の濃い薄いはあっても、酒の種類によって酔い方が違うわけではないのですね。 では、「酒を飲む前に牛乳を飲んでおくと悪酔いしない」といううわさは本当なのか。 「胃の粘膜保護には牛乳はいいですね。胃酸を中和しますから。しかしアルコールの吸収を抑えるなんてことはないです」 そもそもアルコールは胃から吸収されない。牛乳と酔いは関係がないのだ。 「あえて言えば、牛乳はタンパク質なのでアミノ酸に分解されますね。アミノ酸は肝臓を保護する作用があるので、その意味で悪酔いを防ぐといえなくもない。でもそれは無理筋なこじつけです」 しかし、その理屈で言えば、サラミだろうが唐揚げだろうが、タンパク質を食べれば悪酔いしないことになってしまう。 では飲酒の前にウコンを飲むというのはどうだろうか? 「ウコンは肝臓の働きを良くしてくれるので、データ的には悪くないようです。ただ世界的なエビデンスはないので、悪酔いを防ぐのではなく、あくまで肝臓を少し助けてあげるというレベルですね。盲信して飲み過ぎないようにしましょう」
からの記事と詳細 ( 年末年始の「酒の飲みすぎ」、悪酔いを防ぐ秘策とは(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3rJmiIe
No comments:
Post a Comment