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Wednesday, November 9, 2022

孫社長不在、様変わりするソフトバンクG決算説明会-財務重視強調か - ブルームバーグ

ソフトバンクグループは11日、7-9月期(第2四半期)決算の発表と経営幹部による説明会を開く。これまで説明会で行われていた孫正義社長の独創的なプレゼンテーションは四半期ごとの風物詩だったが、今回は実施しない方針で、同社の投資家向け情報提供(IR)は様変わりする。

  ソフトバンクG広報によると、同日午後4時半から行う決算説明会では後藤芳光最高財務責任者(CFO、59)とビジョン・ファンド(SVF)のナブニート・ゴビルCFOが業況の説明や質疑に応じる。後藤氏はこれまで、投資家向け説明会で中心的な役割を担ってきたが、表舞台に立つことになった。

  一方、孫社長は冒頭の数分間のみ登壇し、その後は退席する予定だ。4-6月期(第1四半期)決算を発表した今年8月まで、長きにわたり説明会の主役を務めてきたのは紛れもなく孫社長で、多数のイラストや写真を効果的に使い、自身の投資哲学を表現してきた。

SoftBank Group CEO Masayoshi Son Presents Second-quarter Earnings Figures

2018年11月の決算説明会の様子。孫社長(左)と後藤CFO(右)

Source: Bloomberg

  突然の方針転換に、ソーシャルメディアでは孫社長の健康状態を心配する声が上がった。また、今回から後藤氏が中心となって説明を行うため、多額の有利子負債を抱えるソフトバンクGの財務の健全性に対し、ステークホルダーの関心が一層強まる格好となっている。

  登壇者の交代理由について、同社広報は電子メールで「後藤氏はCFOとして、またソフトバンクGの最もシニアなリーダーの1人として四半期業績や会社全体のパフォーマンスと戦略について話をする」と説明。孫社長については「今期はアームの将来の成長に関連するビジネス機会にさらなる時間とエネルギーを集中させることを決意した」と回答した。

SoftBank Reveals $6.5 Billion Loss From Uber, WeWork Turmoil

穏やかな海の写真を使ってプレゼンテーションした孫社長(19年11月)

Source: Bloomberg

  ソフトバンクGは4-6月期に3兆1627億円の純損失を計上。世界的な投資環境の悪化で出資先の株式価値が低下し、創業来最大の赤字を計上したことで、SVFで大規模な人員削減に着手した。孫社長も当面は投資を縮小するなど守りの姿勢を明確にしており、後藤CFOには株主や債権者を守り、保有資産に対する負債の割合は管理可能だと投資家を安心させる役割が期待されている。

  投資調査会社レデックス・リサーチのアナリスト、カーク・ブードリー氏は「後藤氏を表舞台に出し、全てを説明するというのはバランスシートが重要であるということを示すシグナルだ」と指摘。財務管理と銀行と良好な関係を維持することが後藤氏にとって重要な任務だ、との見方を示している。

  ハイテク株の下落と中国株を取り巻く不透明感から、SVFでは7-9月期(第2四半期)も多額の損失を計上するとアナリストらはみている。マッコーリー・キャピタルのアナリスト、ポール・ゴールディング氏は10月25日付のリポートで、投資損失は約1兆円と試算した。

  純利益についてはソフトバンクGが8月、筆頭株主として保有する アリババグループ・ホールディングの株式を売却し、再評価などで税引き前利益4兆6000億円を計上すると発表しており、同四半期は黒字化する見通しだ。

  後藤氏は2000年に現みずほ信託銀行から入社し、06年に買収したボーダフォン日本事業の取締役や常務を歴任。18年にCFOに就任して以降、投資活動における資金調達と経営管理で重要な役割を担っている。プロ野球 福岡ソフトバンクホークスの社長も務める。

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Photographer: Kyodo News

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